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パパラッチサービスが流行? 若者が疑似セレブ体験に熱視線
<写真:baomoi.com>
ベトナムの若者の間で、有名人がパパラッチに追われているかのような「隠し撮り風写真」を撮影するサービスが流行している。
被写体は自然なふるまいを装いながら街中を歩き、遠くから撮影された写真をSNSに投稿することで、まるでセレブのような体験を楽しむという。
ハノイ在住のある女性(22)は、プロのカメラマンに約200万ドン(約1万2000円)を支払い、メトロ駅で黒いサングラスをかけて人混みの中を颯爽と歩く姿を撮影してもらった。
撮影はカメラマンが電柱の陰や人混みに身を隠し、被写体に気づかれないようにすることを特徴としている。
このトレンドは、中国や韓国のファンダム文化に端を発し、アイドルの私生活を遠くから撮影する「ファンサイトマスター(通称:站姐)」のスタイルを模倣したものである。
ハノイやダラットなどでは、こうした需要に応じて「パパラッチ風撮影」を提供する写真家が増加している。
撮影場所としては、駅やカフェ、ホテルのロビー、空港などが好まれており、顧客の多くは18歳から25歳の若年層である。
写真家たちは望遠レンズを新たに導入し、よりリアルな「隠し撮り感」を演出することに力を注いでいる。
一方で、こうしたサービスに対する不満の声もあり、ある女性客(23)は、表情やポーズに関する具体的な指導がなかったため、満足のいく写真を得られなかったと語っている。
また「外見や雰囲気が整っていないと、期待外れに終わる可能性がある」との指摘もある。
この現象について、ホーチミン市経済財政大学の講師であるレー・アイン・トゥ氏は、若者が自己表現を求める現代的欲求の表れであると分析する。
SNSの普及によって「憧れられる存在」になることがより身近になり、その欲望が写真を通じて具現化されていると指摘する。
また、心理学者のトゥ・タオ氏は、こうした行動は自己肯定感を高める一種の「対処機制(coping mechanism)」であるとしながらも、過度にのめり込むことで現実逃避に陥るリスクがあると警鐘を鳴らしている。
専門家らは、このようなトレンドを楽しむこと自体に問題はないとしつつも「一時的な快感」と「本質的な自己価値」を混同しないことが重要であると指摘している。
そのうえで、自信の醸成や健全な自己表現を目的とした活用が望まれるとしている。
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