ハノイ、洪水対策に向け貯水槽建設か

2018年06月08日(金)00時00分 公開
ハノイ、洪水対策に向け貯水槽建設か

ハノイでは夏季に大雨に見舞われることが多く、都市部での浸水被害も多々発生している。

 

<ハノイ下水排水公社はThanh通りとHang Da通りの交差点地下に貯水槽の建設を計画している>

 

ハノイ自治体はこの都市の浸水被害の解決に向け何年間も取り組んでいるが依然として有効な解決策が見つけられていない。

 

農業農村開発省によると、ハノイの15地域が2時間で50~100㎜ほどの豪雨が降った場合に洪水になる可能性があるという。

 

浸水被害を防ぐため、ハノイ下水排水公社はThanh通りとHang Da通りの交差点地下に2000㎥貯水可能な貯水槽建設の計画を人民委員会に提案した。

同社のVo Tien Hung氏は「この地下貯水槽計画は日本のポリプロピレンという素材を活用している。ポリプロピレンとは水を吸収する熱可逆性ポリマーという樹脂の一種だ。弊社はポリマーを製造している日本企業に共同制作を依頼した。この試みはベトナム国内で材料を生産し費用を削減しようというものだ」と話す。

 

同氏は環境保全技術は容易に導入でき、ハノイやホーチミンのような土地が限られているような都市においてこのような環境保全技術は有効だという。

 

ハノイ下水排水公社広報部のBui Ngoc Uyen氏は労働新聞社に対して「もし地下貯水槽の計画が地方自治体に承認された場合、ベトナムの市街地の洪水対策に有効な役割を果たすだろう。また、貯水されている水は消火活動や街の緑化活動、道路の清掃活動に使用されるだろう」と話す。

 

ベトナム都市開発部は新聞社に対し「ポンプ場のそばにある貯水槽はその地域の浸水被害の減少につながる。まずは計画内容を理解し実現可能かどうか調査を行う必要がある」と話す。

 

しかし、農業農村開発省のVu Trong Hong前大臣によると貯水槽の容量に問題があるという。

 

同氏は「2000㎥の容量は比較的小さく、狭い範囲に軽く雨が降った時にしか浸水を防ぐことができないのではないか。もしさらに大雨が降り、貯水槽がいっぱいになった場合、浸水被害が発生することになる」と指摘している。

 

Hong氏は「地下に貯水槽がある道路の表面は頑丈に設計されていなければならない。もしそうでなければ、道路が沈み込み地盤構造に影響を及ぼし、地盤沈下が発生する可能性がある。また、貯水槽が一杯になった際、水の流れを止める構造にしなければならない。そうでないと、道路表面の強度が弱くなる可能性があるからだ」と話す。

 

同氏は「最も有効な方法は街と湖をつなぐことだ。湖を利用することによって貯水容量を拡大することができる。これを実行するためには湖と都市部をパイプでつなぐ必要がある。例えば、Thien Quang湖とHoan Kiem湖は容易に都市部と結ぶことができ、都市部の水を西部の湖や紅河に流すことができる。また、洪水対策計画は雨季が始まる以前に完了しなければならない。なぜなら雨季に入ると計画を進めることができないからだ」と話す。

 

ハノイ建築家協会のTran Huy Anh氏は「貯水槽は市街地ではなく郊外に建設するべきだ。市街地に建設すると住居者が混乱するからだ」と話す。

 

同氏はこの計画を無駄なものだと考えており、問題の根本的な解決にならないと考えている。

 

同様の洪水対策計画はすでにホーチミン市で行われている。

 

以前、Thu Duc区では100㎥以上の水を貯水できる貯水槽が試験的に建設されていたという。

 

 

出典:dtiニュース

 

 

 

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