ベトナムにおけるAirbnbの倉庫業、今後の展望とは？
専門家の予測では、eコマースの急成長を考えるとベトナムで倉庫型のAirbnbが流行する可能性高いという。
即日配送の拡大によって、販売業者は都市部に住む顧客から近い場所に倉庫を持っており、この現象はベトナムでは当たり前になっている。
アメリカの不動産や投資管理を専門に扱うグローバル不動産サービス会社のジョーンズ ラング ラサール（JLL）の報告によると、Airbnbの物流モデルはベトナムにおいて急速に発展する見込みだという。
ベトナムにオフィスを持つJLLは、工業用不動産の需要は急激に上昇し、土地があるにも関わらず探すことが困難になると警告している。同社は「市の中心部で土地を探すことは難しいが、郊外ではサッカー競技場ほどの大きさの土地が拡大されている」と述べている。
報告によると20年以上に渡ってベトナムは東南アジアで最も工場がある地域として確立されていたという。
1986年、工業団地はたったの335ヘクタールの土地面積しかなかったが、今日では8万ヘクタールもの土地面積に拡大している。
アメリカの不動産会社CBREは、4月、ベトナムの倉庫需要は製造業の急速な発展により、高まっている。また、倉庫レンタル数は毎年1.5％～4％の割合で増加していると話している
さらに小規模な場所
JLLのグローバルサプライチェーン＆ロジスティクスソリューションチームのRich Thompson氏は「今日、オンラインで注文する顧客は素早い配送を要求しているため、企業は少数の広い土地を持つよりもより小規模な土地を持つ必要がある。 工業用倉庫型のAirbnbの場合、企業はeコマースの競争の中で季節の変化に対応する機敏さが必要とされている」と話している。
Airbnbはアメリカに本社がある未上場のグローバル企業である。同社はウェブサイトやアプリを通じてオンライン市場とホスピタリティサービスを提供している。同社の住居サービスは2010年にベトナムで流行し、巨大都市にあるホテルの脅威となっている。
国際的なコンサル会社であるグラント・ソントン会長兼Vietnam Tourism Advisory Board副会長のKen Atkinson氏は、昨年の6月、ベトナムで6500人のホストがAirbnbに登録し、民泊サービスを提供していると話す。
JLLの報告によると、Airbnbが類似的に柔軟なアプローチを倉庫に対し行えば工業部門で多くの問題を抱えるベトナム市場で成功するという。
JLLベトナムのStephen Wyatt氏は「倉庫スペースをリースするために柔軟な対応を行うのは時間の問題だ。特にeコマースの需要の増加によって、小さく柔軟に対応できる倉庫施設に”最速のラストマイルでの配送”が要求されている」と述べる。
ドイツの市場調査会社によると、ベトナムにおけるeコマースの予算は2016年は14億ドル（約1567億円）、2017年は17億5000万ドル（約1959億円）で2018年は23億ドル（約2574億円）に上ると予測されているという。
eコマースの利用者数は昨年は4850万人、今年は4980万人で2020年には5230万人に増加する見込みだ。ベトナムの現在の人口は9500万人以上だ。
4月の報告でファイナンシャルタイムズは、ベトナムのeコマース業界は物流不良や消費者の価格敏感性のため、課題に直面していると述べている。
シンガポールのeコマース企業でベトナムにも展開しているラザダグループ物流部門のVu Duc Thinh氏は「東南アジアにおける消費の中でも特にベトナムの課題は物流だ」と話す。
世界銀行によると、2016年のベトナムの物流コストはGDPの20.9％を占めており、これは中国やタイ、日本と比較しても高いという。
今年始めの会議でNguyen Xuan Phuc首相は、物流コストの上昇は自国の企業に負担をかけており、企業の競争力を高めるためにはコストの削減が必要であると述べている。
コストが上昇している理由は陸上経由の商品輸送費にある。
同会議の中で交通運輸省Nguyen Van Cong氏は、ベトナムでは物流コスト全体のうち陸上輸送の割合が59％であり、海上輸送の9.7倍、鉄道輸送の2.5倍の数字だと話す。
専門家は倉庫への接続がない鉄道路線や陸上輸送よりも3倍～5倍の時間がかかる海上輸送などの不十分なインフラ整備によって物流比率の不一致が発生していると述べている。
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