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ベトナム、中国製製品の「Made in Vietnam」ラベルの取り締まりへ
<ホーチミンのコンテナの様子(Reuters/Kham)>
ベトナム政府は、中国からの輸入品に対する関税を避けてアメリカに輸出するため、ベトナム製のラベルが貼られた中国製商品を取り締まる予定だ。
9日発表された声明によると、ベトナムの税関は、現在勃発している米中貿易戦争によるアメリカからの関税回避を目的とする産地偽造品の原産地証明書および違法譲渡を発見したという。
偽造品は、水産物や農業から鉄鋼やアルミニウムに至るまで、多くの分野で発見されている。
通常中国から輸入された商品は「Made in Vietnam」のラベルで再梱包され、その後、地方自治体はアメリカやヨーロッパ、日本に輸出するための原産地証明書の発行を求められる。
声明の中で言及された一例は、ベトナムに拠点を置く木材製品の製造業者が中国の木材を輸入し、再度ラベルを付け足してからアメリカに輸出していたことで判明したというものであった。
「ベトナムの税関は、各省や地方自治体にこのような違反を防ぐための査察を徹底的に強化するよう指示した」と同機関のNguyen Van Can氏は述べた。
ベトナム政府によると、税関当局はこのような違反を行った事業を特定し、罰金を科すための仕組みを整えているという。
ベトナム国会の経済委員会常任委員のDo Van Sinh氏は、外国企業との間で裏取引を行わないよう企業に警告した。偽装が起これば、アメリカはベトナムを処罰する可能性もあり、ベトナムの企業が責任を負わなければならないと語った。
多くの企業は関税を回避するため、サプライチェーンを中国から撤退させてベトナムに移転しており、ベトナムは米中貿易の最大の受益国の1つとして浮上している。
ベトナムは2019年1月〜5月間で、前年同期比70%増の過去最高167.4億ドル(約1兆8000億円)のFDI流入を記録した。計画投資省によると、同期間に新しく追加された6つのFDIプロジェクトのうち4つは中国と香港からのものであったという。
ベトナムからアメリカへの輸出は5ヶ月で28%増加した。輸出額は226億ドル(約2兆5000億円)に達し、アメリカはベトナムにとっての最大の輸出市場となっている。
6日、Pham Binh Minh副首相は、短期的には貿易戦争によってベトナム製品の輸出を増加させるが、長期的には経済に悪影響を及ぼす可能性があると警告した。
貿易戦争により、今後5年間でベトナムのGDPが2億5554万ドル(約280億円)下がる可能性があるとMinh副首相は語った。
同氏によると、ベトナムはマクロ経済の安定性の維持、インフレの抑制、金融の安定、地元企業の競争力向上、投資環境の改善など対応策を整えているという。
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