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サイゴン川トンネルの利用者、健康被害を訴える

2018年05月21日(月)00時00分 公開
サイゴン川トンネルの利用者、健康被害を訴える

ホーチミンの1区と2区を結ぶサイゴン川トンネルを通行する多くの人々がトンネルを通行中、耳鳴りや呼吸困難を訴えている。


<Thu Thiemトンネルを通行中の写真(Tuoi Treニュース)>

 

5月17日の早朝、1区と2区をつなぐトンネルには大量のバイクが通行している様子が見られた。このトンネルは水中にある通路でThu Thiemトンネルとして知られている。

 

通行者の多くは、トンネル内の空気は流れが悪いために度々呼吸困難になり、トンネルの中央付近ではめまいを感じることもあるという。トンネル内で被害を訴えている多くは女性だという。

 

トンネルを利用して通勤するTrinh Thi NguyetさんはTuoi Treニュース(ユース版)で「トンネル内と外の空気は全く違う。トンネル内では気分が悪くなる」と話す。

 

2区在住のHuynh Tan Taiさんは「通勤ラッシュ時にThu Thiemトンネルを通行中、軽い吐き気を覚える」と話す。

 

通常、トンネルの通過時間は3分なのに対して、ピーク時は大量のバイクが通行しているため15分かかるという。空気の循環が不足しているのだ。

 

 

<通行車両がThu Thiemトンネルから出てくる様子(Tuoi Treニュース)>

 

Taiさんは「トンネルの出入り口に温度や湿度、風速、騒音レベルといったメーターが設置してほしい」と話す。

 

サイゴン川トンネル管理局のLe Minh Trietさんは、健康被害を受けているトンネルの利用者から不満の声を受けているという。

 

同氏は管理局職員に一酸化炭素の濃度を測定させたところ、最新の結果では100~120ppmだったという。これは人体に有害なレベルの200ppmを大幅に下回っている。同氏は「トンネルに入ったときの空気の突然の変化が呼吸困難や耳鳴りが起こる原因の1つだ。また、現在通行している車両の量はトンネルの容量のわずか70%しかない」と主張している。

 

同氏は、「長期的に見た解決策は、サイゴン川を通過するThu Thiem2、3、4の3本の橋を早急に完成させ、トンネル内の交通量を減らすことだ。これによって一酸化炭素の濃度を減少させ、騒音、トンネル内の塵、通行者の健康問題を解消することができる。しかし、すぐに3本の橋を完成させることができないのが現状だ」と話す。

 

ホーチミン市の保健機関は定期的に空気の質や一酸化炭素濃度、騒音レベルを調査しており、これらの問題の迅速な対応が求められる。

 

サイゴン川トンネル管理局によると、1日に29万台の車両がトンネルを利用しているという。

 

トンネル内の空気を循環させて一酸化炭素濃度を下げるための3つの巨大な換気扇がある。しかし、換気扇があるにも関わらず、トンネル内の一酸化炭素濃度が200ppmに達したケースがあった。

 

サイゴン大学の環境・エネルギー研究所のDo Thi My Lien博士は「トンネル利用者のめまいの原因は錯覚にあるかもしれない。明るくて広い場所から暗くて狭い場所に入ると錯覚が起こる。」と話す。

 

同氏は「トンネル内の空気を安全に保つためには定期的にトンネル内の空気質を測定し、管理するべきだ。また、トンネル内の交通量は2020年には容量を超えることになり、その結果利用者に有害な空気質となる」と話す。

 

サイゴン川の下を通る全長1490mのThu Thiemトンネルは2011年に公式に開通した。

 

Thu Thiemトンネルは水中トンネルの中ではベトナムで最大級の大きさで片側3車線の広さがある。

 

出典:VOVニュース

 

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