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バクニン省で医療従事者が懸命に活動、感染隣り合わせで疲弊も
<写真:VN EXPRESS>
新型コロナウイルスの市中感染が拡大するバクニン省で、感染拡大防止対策の最前線で活動する人や医療従事者らが疲労やストレスを感じる中、懸命に活動している。
バクニン省では、感染者の追跡や接触者の検査実施のために、1日20時間労働が続いているという。
14日(金)、感染拡大防止対策の最前線で活動するNguyen Thi Thuyさんらが、同省Thuan Thanh区Mao Dien地区で1万5000人に対する検査を完了し、ようやく仮眠を取れたのは午前1時を回っていたという。
しかし、休む間もなく、同省疾病管理センターから、6人の新規感染者が確認されたとの通知を受け、同僚とともに接触者の追跡を開始した。
接触者の追跡が完了したのは朝方だ。
Thuyさんによると、同省で感染拡大防止対策の最前線で活動する人は、このような生活を連日続けているという。
Mao Dien地区では5月5日に最初の新型コロナウイルス感染者が確認され、感染者が増加したことから、地区当局はロックダウンを講じた。
同地区の人口は1万5000人で、5月7日には1回目の検査が全員に対して行われた。
検査を行ったのは、同省にある公共医療機関と民間医療機関から集められた100人だという。
Thuyさんは同地区で24年間にわたり、医療に従事しているが、今回のような非常事態は初めてだという。
「検査を行う当日、検査を完了できるかどうかや共に活動する人とうまく協力できるかどうか、混雑する中で検査を円滑に進められるかどうかに不安を感じていた」とThuyさんは当時を振り返る。
しかし、いざ検査を開始すると、防護服にネームタグをつけるなど、お互いが活動しやすいように円滑なコミュニケーションができたという。
その日の検査が完了したのは翌朝午前4時。採取された検体は同省疾病管理センターに運ばれたという。
5月14日朝、Thuyさんらは、5月6日に6人の感染者が確認されたThuan Thanh区医療センターへの訪問歴のある男性を発見した。
これを受け、Thuyさんのグループで活動するスタッフ4人が男性に対して、感染拡大防止をするために集中隔離施設で隔離措置を受けるように説得した。
しかし、男性はそれを拒み、スタッフに対して怒鳴り散らしたという。
Thuyさんらは、男性に対してさらに強力な対応をすることを検討していたが、その日の午後、男性は同意のもと、集中隔離施設に向かったという。
Mao Dien地区における感染に対応するために派遣されたThuan Thanh区医療センターの女性医師であるLe Thi Nhungさん(43)は、今までこれほどストレスがかかり疲労感を感じる仕事は経験したことがないと話す。
Nhungさんは5月7日にMao Dien地区に到着し、その日の夜から午前2時まで検査を実施したという。
その後すぐに、Nhungさんは濃厚接触者の検査を実施するため、別の地区へと向かった。
濃厚接触者の検査を終えると、またMao Dien地区に戻り、同地区で検査を待つ人の検査を実施したという。
全ての検査が完了したのは午前4時32分だった。
5月9日、気温36度という猛暑の中、Nhungさんは、新型コロナウイルスの感染者を隔離エリアに搬送する活動に従事した。
しかし、6回目の搬送を終えた直後、Nhungさんは気を失い、その場に倒れたという。
Nhungさんと活動を共にするスタッフがNhungさんを休憩室まで運び、防護服と高機能マスクを外した。
その後、嘔吐などの症状があったものの、休憩をとったのち、Nhungさんは回復した。
回復すると、すぐにまた、活動に戻ったという。
感染リスクが付きまとう中、バクニン省をはじめ、各地で多くの人が懸命に感染拡大を防ぐために活動をしている。
防護服にゴム手袋、ヘアキャップ、マスク、フェイスシールドなどを身に着けており、暑いベトナムではすぐに全身汗だくになるに違いない。
バクニン省の医師会(Bac Ninh Young Doctors Association)で会長を務めるNguyen Thi Thuy Duong氏は、同省の医療従事者の70%は女性で、その多くが母親だと明かす。
Duong氏は、今回の非常事態で、プレッシャーが強くかかる中、懸命に活動していることに感銘を受けると話した。
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