コントゥム省で発生した連続地震、数十年にわたり発生する可能性

2022年08月26日(金)16時25分 公開
コントゥム省で発生した連続地震、数十年にわたり発生する可能性

<写真:VNEXPRESS>

 

コントゥム省では水力発電所を原因とした連続地震が頻繁に発生しているが、今後も同様の地震が何十年にもわたって続く可能性がある。

 

23〜24日にかけて同省コンプロン郡で地震が12回連続して発生した。

 

科学者はこの地震を水力発電貯水池が原因となる誘発地震と推定しており、「この現象がいつまで続くか」「貯水池を長期間稼働させた場合には頻度が増えるのか」といったことに焦点が当てられている。
 

ベトナム地球物理学研究所の地震学者グエン・ホン・フオン准教授によると、コンプロン郡のトゥオンコントゥム水力発電所とクアンナム省の第2ソンチャイン水力発電所周辺で発生した地震には共通点があり、いずれも貯水池に関した誘発地震である。
 

トゥオンコンタム水力発電所は昨年3月1903年〜2020年までにはマグニチュード2.5以上の地震が33回しか記録されていないが、2021年〜現在に至るまでには約200回の地震が記録された。
 

クアンナム省の第2ソンチャイン水力発電所では貯水池への給水後に、バクチャミ郡とナムチャミ郡で揺れと大きな地鳴りが観測された。
 

その後、同地域での地震は急速に強度と頻度を増し、2012年11月16日にマグニチュード4.7の地震が発生してピークに達した。10年経った現在でも地震が続いており、直近では3月11日にマグニチュード2.7を記録している。

 

フオン准教授によると、両水力発電所はラオクアン−アルオイ断層線上に位置するという共通点があるが、クアンナム省と同じ様にコンプロン郡で地震が長期間継続するかどうかは、両地域の地質が異なっており正確には予測できない。
 

トゥオンコントゥム水力発電所には約18キロに及ぶ地下水パイプラインがある影響で周辺への応力が非常に大きいため、地震を誘発する可能性がより高い。


同研究所の地震・津波情報センターは、同郡でマグニチュード最大5.5の地震が発生すると予測しているが、フオン准教授によると、この数字が本当に最大かどうか把握するためには、詳細評価と同地域の地震データの調査・測定が必要である。

 

そのためには監視局と科学者の間に地震情報とデータ記録を行うネットワークの構築が必要であるとして、全国規模で地震監視システムを設置し、地震リスクのゾーニングを実施することを提案した。

 

世界には誘発地震を記録した水力発電所が何百もあり、この問題は世界中で研究されている。そうした水力発電所付近には現地監視局が設置されており、収集した監視データを元に1カ月前の地震予知が可能になっているという。
 

ベトナムでも科学者にデータを提供するために水力発電所付近に監視局を設置することが非常に重要である。

 

同研究所所長であるグエン・スアン・アン博士によると、コンプロン郡とその周辺に6つの監視局の設置が進められており、今後数週間で稼働する予定である。

 

 

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