世界的な景気後退、ベトナムの輸出に大打撃:HSBC

2022年12月08日(木)11時48分 公開
世界的な景気後退、ベトナムの輸出に大打撃:HSBC

<写真:VnExpress>

 

HSBC(香港上海銀行)によると、ベトナムの輸出と生産は世界市場の苦戦を受け、ここ数ヶ月にわたって減速傾向にある。

 

同行の最新の経済報告書では、11月のベトナムの輸出高が前年同期比で7.4%減少したことが報告されている。以前にHSBCは輸出が2.3%減少するとして予測していた。

 

世界の購買担当者指数(PMI)は2021年5月から継続的に低下し、新規受注の減少を受けて2022年9月から50ポイントを割り込んでいる。

 

PMIが50ポイントを超えれば景気拡大、50ポイントを下回ると景気縮小となる。

 

ベトナムの工場でも同様の状況となっており、海外顧客からの受注が減少し、9月以降は63万人以上の労働者が受注減少の影響を受け、約90%の労働時間や賃金が低下した。

 

HSBCによると、ベトナムにおける不調の主な理由は同国総輸出高の約35%を占めるエレクトロニクス部門の問題である。ベトナムの3大輸出市場である米国と中国、ヨーロッパを含む世界の電子機器受注は、今年後半から急激に減少している。

 

また、米国の住宅市場が金利の上昇によって低迷し、ベトナムからの木材製品輸入が大幅に減少した。衣料品や繊維製品、履物といった従来ベトナムの主力製品も輸出高が減少している。

 

HSBCは高いインフレと欧米諸国におけるモノからサービスへの消費シフトを背景に、ベトナム市場は同分野で更なる減少に見舞われると予測する。

 

一方で、ベトナムは外的な困難とは別に強い内需を維持しており、地域の経済成長を支え続けている。11月の小売売上高は前年同月比17%増を記録した。

 

同行はベトナムの観光分野における新規市場進出を評価している。同国は「ゼロ・コロナ」政策による中国人観光客不在を受け、インドなどの新市場開拓に注力しており、今年の外国人入国者数は約300万人に達した。ベトナム国家観光局によると、インド人観光客は全体の約4%を占める。

 

しかし、HSBCはベトナムのインフレ懸念に関する警告も行っている。11月のヘッドライン・インフレ率は前年同期比で4.4%上昇し、コア・インフレ率は5%に迫っている。近隣諸国と異なる状態として、ベトナムはエネルギー不足に直面しており、これがヘッドライン・インフレを圧迫している。

 

HSBCの予測ではインフレ率が今後数四半期にわたって上昇し、ベトナムの中央銀行はインフレ抑制のために更なる金融措置を講じる可能性が高い。

 

 

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