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ベトナムはハイテク製造業のハブへ、克服すべき課題も多数
<写真:VnExpress>
ベトナムの先端技術製造拠点としての存在感が強まっており、世界のハイテク企業大手はベトナムでの事業を拡大し続けている。
12月23日に韓国の電子機器大手サムスンは、東南アジア最大の研究開発センターをベトナムに開設し、同社の代表者は開所式でベトナムが同社のグローバル生産拠点としての役割を超え、主要な研究開発の戦略的拠点となったと述べた。
サムスン製スマートフォンの半数はベトナムで製造されており、同社はベトナムへの投資額を180億ドル(約2兆3375億円)から200億ドル(約2兆5978億円)に引き上げる方針である。
ベトナムの300以上の電子産業企業を代表するベトナム電子産業協会のドー・ティ・トゥイ・フオン氏は、「この研究開発センターはベトナムの技術生産能力がここ数年で大幅に向上したことを示すものであり、サムスンのような外国人投資家がベトナムでの高度製品の製造を信頼していることを意味する」と述べている。
過去5年間でベトナム政府は世界のサプライチェーンにおける同国の地位を向上させるために、より多くの外国人直接投資家を誘致することを主要な目標としており、現時点で世界の先進的な製造業におけるベトナムの存在感は非常に大きなものとなっている。
FoxconnやLuxshareといったアップルのサプライヤーは北部各省にMacbookやAirPodの工場を開設し、Intelやサムスンといったハイテク大手もベトナムで半導体部品の製造をしている。
ベトナム電子工業会のデータによると、5年前にサムスンのエコシステムに参加していたベトナム系ベンダーはわずか数社であったが、現在ではその数は200社以上に達している。
そのうち50社以上がTier1ベンダーで、同社に直接製品を供給を行う。
日本のカメラメーカーであるキヤノンは100社以上、エレクトロニクスメーカーのパナソニックとブラザーはそれぞれ数十社の現地ベンダーを抱えており、その多くはテレビ画面といった難しい部品を製造している。
米ボーイングは昨年8月にベトナムで初の航空宇宙産業フォーラムを開催し、同社のグローバルサプライチェーンのために現地のサプライヤーを探している。
ベトナム電子工業会のドー・コア・タン副書記長によると、こうした動きはベトナムがハイテク製造業の世界で足場を築き、中国からサプライチェーンを多様化する多国籍企業にとってより顕著な目的地になりつつあることを明確に示している。
しかし、アナリストはベトナムがハイテク産業でさらに前進するためには、まだいくつかの課題を克服する必要があると指摘する。
経済学者のレ・ダン・ドアンによると、ベトナムがハイテク分野で発展を続けるためには中所得層の罠を回避する必要がある。
ベトナム電子産業協会のフオン氏は、中小企業がインドなど他の地域の強豪企業との競争激化に直面する中で、融資を受けて事業を拡大できるように、ベトナム政府が大胆な政策を打ち出すことを提案している。
ベトナムでは高い融資金利が地元企業の成長を妨げており、多くの企業が非伝統的な信用供給源に接近する危険性が高まっているという。
また、人工知能がベトナムの安価な労働力の利点をすぐに無意味なものにしてしまうため、教育や訓練は実際のビジネスニーズに合わせて再設計される必要がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。