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ベトナムのEV戦略、50年までにバス・タクシーを置き換え
<写真:Tuoi Tre>
ベトナムは環境保護への貢献に向け、今後30年以内に全てのバスやタクシーをガソリン車から電気自動車(EV)に転換することを計画している。
交通産業におけるグリーンエネルギー移行と炭素・メタン排出削減に関する首相決定により、ベトナムでは2025年からは全ての代替バスを、2030年からは全ての代替タクシーを電気自動車にしなければならない。
同国ではビングループ(Vingroup)のファム・ニャット・ブオン会長が設立したEV・電動バイクのタクシー事業とレンタル事業を手掛けるグリーン・スマート・モビリティ(GSM)社が14日、ハノイ市でGreen SMタクシーサービスを開始した。
同社は国内5箇所の主要都市で同サービスを展開し、EVを約1万台まで拡大する予定である。
同社によると、電気タクシーは先進的なソリューションの1つであり、地域社会に多くの利益をもたらし、大気汚染や騒音汚染の軽減に貢献するとともに、利用者にとっては省エネとコスト削減に繋がる。
ハノイ市タクシー協会の調査では、EVは環境への悪影響を最小限に抑え、メンテナンスやエンジン音に関してもガソリン車やディーゼル車より優れていることが明らかになっている。
そのため、タクシー事業者は電気自動車を使用することにより、運営コストを大幅に削減することが可能となる。
しかし、電気タクシーへの移行には充電インフラの不足と高額な投資という2つの大きな障壁がある。
電気タクシーは24時間365日の運行を考慮すれば、1日に何度も充電する必要があり、初期購入費用は従来車両の1.5倍〜3倍まで跳ね上がる。
同協会は電気タクシー利用促進に向けた優遇メカニズムや政策構築を政府に要請した。
ハノイ市交通公社(Transerco)の代表者も同様に、ディーゼルバスから電気バスへの置き換えは困難ではないが、予算が大きな障害になることを指摘している。
ハノイ市とホーチミン市で運行しているVinBusの現行電気バスは、1台あたり約70億ドン(約4000万円)である。
10年のライフサイクルの中でバッテリーを1回交換する必要があり、その費用は約20億ドン(約1140万円)で、必要な予算はバス1台あたり90億ドン(約5100万円)にも上ると言われている。
同じ容量のディーゼルバスの場合には、10年間のライフサイクルで保守・修理費を含めても30億ドン(約1700万円)程度で済む。
世界の多くの国ではバスが低収益の公共サービスであることを考慮し、バス事業者やバスメーカーに対して車両購入価格の補助を行っている。
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