ベトナム・見えない貧困の実態|若者たちの現実と希望の灯「KOTO」
経済成長の陰で取り残される人々
現在のベトナムはアジアの成功モデルとして世界から称賛されているように、急速な都市化と産業発展によって、貧困率はこの30年で50%超からわずか数%にまで下がりました。
しかし、表面の数字だけを見れば「貧困は解決した」と思われがちですが、その陰には今も取り残された多くの人々がいます。
OECDやUNICEFの報告によれば、1日6.85ドル(上位中所得国の基準)未満で暮らす人々は、いまも約2割にのぼります。
特に厳しい状況にあるのは、農村部や山岳地帯の少数民族の子どもたちです。
教育、医療、清潔な水、そして社会的なつながりといった基本的な機会が、いまだ十分に届いていない状況にあります。
子どもたちが抱える多次元的な貧困

ベトナムでは経済的な収入の少なさだけではなく、教育・健康・栄養・住環境など複数の要素が絡み合った「多次元的貧困」が問題になっています。
UNICEFの調査では、子どもの約15%が複数の生活領域で困難を抱えており、少数民族地域ではその割合が約50%に達しています。
都市部の子どもが英語やITを学び、世界とつながる一方で、山岳地帯の子どもは通学すら困難で、教科書も十分にない状況です。
5歳未満の子どもの約20%は慢性的な栄養不良で発育が遅れ、貧困と健康格差の連鎖が次の世代へと続いています。
教育格差も深刻で、最も貧しい家庭では高校まで進学できる子どもがわずか5人に1人にとどまっています。
貧困は単なるお金の問題ではなく、それは「選択肢のない人生」を意味します。
「進学を諦め、働くことを強いられ、夢を描く前に現実に押しつぶされる」これが、統計の裏に隠れた「見えない貧困(InvisiblePoverty)」の正体です。
都市に希望を求める若者たちの現実

ハノイやホーチミンには、地方から仕事と夢を求めて若者たちが集まってきますが、その多くは、読み書きや社会的スキルを十分に学べなかった準備のない移住者です。
職を得られず、低賃金労働や路上生活に追い込まれ、時に人身取引や搾取の対象となることもあります。
UNICEFの報告では、こうした若者たちは社会的孤立という新たな貧困に直面しているといいます。
つまり、貧困とは収入の欠如ではなく「つながりの欠如」でもあります。
社会や家族との絆を失ったとき、人は支援にもアクセスできず、声を上げることすら難しくなってしまいます。
そうした若者たちの「再出発の場所」― KOTO

こうした見えない貧困に20年以上向き合ってきたのが、KOTO(Know One, Teach One)です。
1999年にジミー・ファム氏によって設立されたKOTOは、ベトナム初の社会的企業として、困難な環境にある若者に2年間の無償ホスピタリティ研修を提供しています。
プログラムでは料理・接客・英語だけではなく、金融リテラシーや自己理解、感情のコントロールなど、人生を生き抜く力を育てています。
宿舎・医療・食事もすべて無料で、卒業生はこれまでに1700人以上、現在は国内外の一流ホテルやレストランで働き、家族を支える存在となっています。
食を通じて社会をつなぐ ― KOTO Van Mieu(ハノイ)

ハノイの人気観光地・文廟の向かいにあるKOTO Van Mieuレストランは、若者たちが夢を形にする場所。
木の温もりあふれる店内は穏やかで、笑顔のスタッフが丁寧に迎えてくれます。
メニューは伝統的なベトナム料理にモダンなアレンジを加えた多彩なラインナップ。
香ばしいグリル料理やレモングラス香るチキン、新鮮な地元野菜のサラダなど、どれも丁寧で心のこもった味わいを提供しています。
ここでの食事は、単なるグルメ体験ではありません。
売上の100%が若者の教育と生活支援に使われる。あなたの一皿が、次の世代の希望につながる。
その活動が評価され、2025年にはTripadvisor Travellers’ Choice Awardも受賞しました。
美味しい料理を楽しみながら、未来を応援する。KOTO Van Mieuは、そうしたあたたかな循環を体験できるレストランです。
<プロモーション情報>
- 内容:アルコール除くアラカルトメニュー10%OFF
- 期間:2026年1月31日まで
- 時間:午後3時以降
※スタッフの方にプロモーションコード「PROMO_JP10」をご提示ください。
店舗詳細
- 店名:Koto Van Mieu Restaurant
- 住所:35 P. Văn Miếu, Văn Miếu – Quốc Tử Giám, Đống Đa, Hà Nội
- 時間:8:00〜22:00
- 電話:0989965018