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魅力が薄れる日本、ベトナム人の出稼ぎ先はオーストラリアとドイツに
<写真:VnExpress>
ロイター通信によれば、日本のインフレ率が昨年10月に40年ぶりの高水準に達したため、燃料から食料品に至るまであらゆるものの価格が上昇し、多くの人々が日常生活で必要なものを購入することができなくなっている。
在日ベトナム人労働者の多くが日本での収入に魅力を感じなくなり、日本を去り始めているという。
日本で2年間にわたって働いていたトゥーさん(30)は、円安で貯蓄が目減りしたため退職を決意し、労働力不足解消に向けてビザ政策の開放や魅力的な給与といった外国人労働者の誘致施策を採用しているドイツに出稼ぎ先を鞍替えした。
ドイツのフーベルトゥス・ハイル労働社会大臣によると、同国は2035年までに約700万人の労働者が不足する。
日本から帰国した出稼ぎ労働者がベトナムでの収入に満足することはほぼ無いため、労働者不足を補うために大胆な政府措置をとっている欧州やオーストラリアへの移住を選択することが増加している。
トゥーさんによると、ビザ申請手続きのサポート依頼をしたエージェンシーは、今年に入ってから既に100人のベトナム人労働者にドイツへの移住サポートを提供しているという。
ドイツでしばらく働いたトゥーさんは「経済的な収入だけではなく、出稼ぎ労働者に提供される福利厚生も日本に比べてドイツの方が魅力的である」と話している。
トゥーさんが日本にいた時は1日11時間〜12時間働かなければならなかったが、ドイツでは週休2日で1日8時間以上の労働をすることはなく、休日にはレストランで副業して余剰金を稼ぐことが可能であるという。
オーストラリアも多くのベトナム人労働者が関心を寄せる移住先であり、同国の企業にはベトナムや他アジア諸国から1日に何百もの応募がある。
オーストラリアの某食肉加工会社のマネージャーであるデュイ・ナム氏によると、ベトナム人労働者の間でオーストラリアへの人気が高まっているのは、パンデミックのピーク時にオーストラリアが鎖国していたこともあり、家事労働者が不足しているためである。
パンデミックの収束後にオーストラリア政府は外国人労働者の誘致に最善を尽くしており、同国滞在中の就労を許可するワーク・アンド・ホリデー・ビザ(サブクラス462)を年間1500人まで認め、ビザの申請手続きも大幅に短縮された。
また、オーストラリアにおける労働者の平均時給はロックダウン前が27豪ドル(約2600円)であったが、パンデミックのピーク時に55豪ドル(約5200円)まで上昇し、ベトナム人出稼ぎ労働者が月に1万豪ドル(約94万5000円)もの収入を得ることが可能になった。
日本で働くベトナム人労働者は以前、月に2000万~2500万ドン(約11万7000〜14万7000円)の貯蓄が可能であったが、現在は月に1200万~1600万ドン(約7万〜9万4000円)の貯蓄しかできなくなっている。
オーストラリアの農場で働いているタインさんは当初は2400万ドン(約14万1000円)前後の月収であったが、仕事に慣れた今は毎月7000万ドン(約41万円)もの金額を貯蓄しているという。
タインさんの計算ではオーストラリアに行かせるために家族が借金した3億ドン(約176万円)を半年で返済し、3年後にはベトナムに自身の家を持てるだけの金銭を貯蓄することが可能である。
タインさんの働く農場では従業員約200人のうち47人がベトナム人であるという。
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