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ベトナムの出稼ぎ労働の歴史
<写真:VN Express>
ベトナムが労働者を海外に派遣し始めたのは指令経済から市場経済に移行しつつあった1980年代であり、1980年11月に出された決議によると、政府の「他国とのパートナーシップを通じて国内経済に吸収されなかった多くの若者に仕事と訓練を提供できる」といった考えに基づいている。
当時の主な就職先はソ連や東ドイツ、ブルガリア、チェコスロバキアの4カ国であり、出稼ぎ労働者として選ばれるのは元軍人や公務員、工場労働者、高卒の労働者がほとんどであった。
1980年〜1990年の間に約30万人の労働者が海外に派遣されたが、1990年代初頭にソビエト連邦が解体されたため、4つの市場におけるベトナム人労働者の需要が減少し、ベトナム政府は1990年〜2000年にかけて新しい市場を探さざるを得なくなった。
日本や韓国、台湾など一部のアジア市場では人口の高齢化が進み、各国現地の労働者がバリューチェーンの上を行くようになったため、機械工や家事手伝い、高齢者の世話役などのニーズが生まれ、ベトナムや他の東南アジア諸国からの労働者がその需要を満たした。
1992年にベトナムは初めて日本や韓国に産業実習生や貨物船の船員として労働者を送り出し、それ以来、北東アジアはベトナム人労働者の主要な市場に成長し、出稼ぎ労働者の数は1991年の1000人から2000年には3万1000人に急増した。
2000年以降になると労働力の輸出はベトナム経済においてますます大きな役割を果たすようになり、2005年には8万人の労働者が18の国や地域に渡った。マレーシアが最も多く、ベトナム人労働者は主に電気や電子、衣料、機械、木材加工分野で働くために渡航している。
しかし、月収150〜200ドル(約2万1510〜2万8680円)という低収入と劣悪な労働条件からマレーシアは次第に魅力的な市場ではなくなり、給与の高い韓国や日本が手招きされるようになった。
2015年までにマレーシアにいたベトナム人労働者はわずか7300人で2019年までには450人に激減した。
2012年〜2019年にかけて海外に出る労働者の数は毎年21%ずつ増加し、2020年と2021年にだけ新型コロナウイルスの影響によって減少した。昨年は4万5000人の労働者を海外に送り出しており、パンデミックからの回復に合わせて今年はその数を倍にする目標が立てられている。
この40年間でベトナムは労働市場の数を4つから40に増やし、30種類のセクターに増やしてきた。500社以上の労働企業が毎年10万人の労働者を海外に派遣しており、その9割が台湾と日本向けであった。
海外労働局のグエン・ギア・リエム副局長によると、出稼ぎ労働者は同国の労働力の7〜9%を占めており、国内での雇用創出プレッシャーの軽減に役立っている。また、1980年代には労働者は鉄の箱や炊飯器を送っていたが、今では毎年30〜40億ドル(約4301億8050万〜5735億7400万円)の現金を送っている。
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