ベトナム都心の若者、家庭料理の頻度が激減

2024年05月15日(水)07時00分 公開
ベトナム都心の若者、家庭料理の頻度が激減

<写真:tuoitre-vn>

 

ベトナムの都市部に住む若者の中には、仕事や学業に追われ、家庭での料理の頻度が極端に低下した人々が増加している。

 

ホーチミン市タンビン区在住の銀行員であるゴックさん(26)は、その一例である。ゴックさんは「仕事が忙しく、平日は昼食をアプリで注文し、夜は疲れて外食することが多い」と語る。

 

休日も外食が中心で、まれに自宅で料理をする際も既に調理済みの食材を購入し、簡単に調理して済ませているという。

 

同市7区在住のフォンさん(31)も同様で、結婚して1年近くになるが、自宅で料理するのは数えるほどしかない。

 

外食やテイクアウトが日常であり、夫婦共に忙しいため、料理や後片付けの手間を考えて外食を選択しているという。

 

こうした状況に対して、ホアン・ミー・サイゴン病院栄養学部門の責任者であるチャン・ティ・ミン・ハイン博士は、「外食はしばしば高脂肪、高糖分、高塩分であり、野菜や果物が不足しがちになる」と警告する。

 

さらに、外食では食材の出所や調理方法が不明であり、食品安全の確保が難しい場合が多いという。

 

実際にゴックさんは長年の外食や不規則な食生活の結果、3ヶ月前に胃炎と胃潰瘍と診断され、現在も治療を行っている。

 

フォンさんの妻も2年前に路上の飲食店で食べた料理が原因で消化不良を起こし、食品安全には一層の注意が必要と感じている。

 

iPOSの2023年の報告書によると、2021年から2023年の間にベトナムの外食市場は急速に回復し、2023年の売上はコロナ前の水準に近づき、538兆5000億ドン(約3兆3094億円)に達した。

 

オンラインでの食事注文も増加し、その市場規模は52兆4000億ドン(約3220億円)に達している。

 

市場の成長にはストリートフードの人気や新しい飲食トレンドも寄与しており、若者の間でますます広がっている。これらのトレンドは食事の利便性を高める一方で、健康や栄養バランスへの影響も懸念される。

 

都市部の若者の間で増加する外食の傾向は、忙しいライフスタイルの結果であり、その利便性は高い。しかし、食品安全や健康へのリスクも無視できない。

 

家族での食事は栄養バランスや衛生面での利点が多く、家族の絆を深める重要な役割を果たす。忙しい現代社会においても、家庭での食事の重要性を再認識し、健康を維持するための取り組みが求められる。

 

 

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