工場内の窃盗問題、労働者による商品横流しの実態

2024年05月17日(金)07時00分 公開
工場内の窃盗問題、労働者による商品横流しの実態

<写真:dantri-com-vn>

 

ベトナムでは工場内で働く労働者が、コンテナ単位で製品を隠したり共謀して外部に持ち出し、販売して金銭を得る行為が問題となっており、工場管理者にとって頭痛の種となっている。

 

4月末、ホーチミン市のノーブランド社で在庫チェックが行われた際、3000点の衣料品が不足していることが判明した。

 

この損失額は7000万ドン(約42万円)に上る。工場の管理者は、112人の完成品エリアの労働者が関与していると考え、各労働者に対して不足分の補填を求めた。

 

最終的に同社が4000万ドン(約24万円)を負担し、残りの3000万ドン(約18万円)を労働者に負担させ、4月の給与から数十万ドンを控除した。

 

この対応に対して労働者たちは抗議し、同社は5月10日に労働者に対して返金を行うとともに、警察に調査を依頼した。

 

この問題はホーチミン市だけではなく、多くの工場が集まるドンナイ省やビンズオン省、ロンアン省などでも広く見られる。

 

2023年半ばには、ビンズオン省のVSIP I工業団地で、ある女性労働者が休憩時間中にドリルビットやナイフを盗み、自宅に隠して販売していたことが発覚した。

 

女性は数回にわたって盗みを行い、被害額は2870万ドン(約17万円)に達していた。

 

さらに、2023年11月9日にはドンナイ省のニョンタック3工業団地で、労働者2人がコンテナトラック運転手と共謀し、総重量2トン以上にもなる70本以上の鉛の塊を盗み出し、販売する事件が発生した。

 

ドンナイ省のある縫製工場の労働組合幹部によれば、労働者が製品を盗み出し、外部で販売する行為は管理者にとって大きな悩みである。多くの企業が監視カメラやセキュリティを強化しているが、全ての不正行為を防ぐことは難しい。

 

窃盗は労働者に小さな利益を生むが、企業には大きな損害をもたらす。独占契約製品が外部で販売された場合には、契約破棄や取引停止のリスクがあり、企業の損失は計り知れない。

 

2020年7月には、ドンナイ省のニョンタック工業団地で、労働者と警備員が共謀して靴を盗む事件が摘発された。労働者は完成品の靴を腰に巻き付け、上着で隠して持ち出していた。

 

ホーチミン市のポウユエン・ベトナム社の労働組合副会長であるキム・ヴィン・クォン氏は、かつて数百足の輸出用靴が盗まれる事件があったと語る。

 

しかし、現在は安全対策が徹底され、窃盗はほぼなくなったという。クォン氏によると、窃盗事件が発生した場合、労働者を疑うのではなく、法的機関に報告して適切に処理することが重要である。

 

 

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