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カシューナッツ輸出大国のベトナム、原材料の90%を輸入
<写真:tuoitre.vn>
ベトナムは世界最大のカシューナッツ輸出国であるが、原材料のカシューナッツの90%を輸入に依存している現状が明らかになった。
ベトナム税関総局によると、2024年1月からの8か月間で、同国は23億ドル(約3224億1400万円)を投じて約190万トンのカシューナッツを輸入している。
一方で、同期間におけるカシューナッツの輸出量は48万6000トンであり、約28億ドル(約約3925億400万円)の収益を上げたが、その多くがアフリカやカンボジアからの原料に依存したものである。
この輸出入のギャップについて、14日にベトナムカシューナッツ協会(Vinacas)副事務総長のチャン・フー・ハウ氏は、ベトナム国内でのカシューナッツ生産量が少ないことが主因であると説明した。
2023年の国内需要は約310万トンとされるが、国内の生産量は26万トン程度に留まり、全体の10~12%しか賄えない状況であるという。
ハウ氏はベトナムのカシューナッツ産業が加工技術に優れていることを強調する一方で、生産量の低さが農家の収益を不安定にしていると指摘した。
さらに、カシューナッツ栽培はドリアンや他の果物との競争が激しく、特にベトナム南部のタイニン省では、キャッサバの栽培とも競合している。
カシューナッツの収量は1ha当たり1.2~1.5トンと低く、ドリアン栽培が1ha当たり10億ドン(約577万円)以上の利益を生むのに対し、カシューナッツの利益は相対的に低い。
ベトナムは現在、コートジボワール、カンボジア、ナイジェリア、ガーナ、タンザニアなどからカシューナッツを輸入している。
特にコートジボワールとカンボジアからの輸入が全体の54.7%を占める。しかし、輸入価格が高騰しているため、国内の加工業者はコストの上昇に直面している。
ビンフオック省でカシューナッツ輸出を手がけるグエン・ティ・ジエム氏によると、アフリカからの輸入原料が加工後のカシューナッツ製品の価格を上回ることがあり、企業の収益性に悪影響を及ぼしているという。
ベトナムカシューナッツ協会は、2024年第4四半期には世界的な需要増加により、ベトナムのカシューナッツ輸出がさらに拡大すると予測している。
同国の輸出額は40億ドル(約5607億2000万円)に達すると期待されているが、輸出と輸入のバランスが接近しているため、輸入超過のリスクが高まっている。
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