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物流コストの高いベトナム、国内製品が困難に直面
<写真:tuoitre-vn>
ベトナム国内での物流コストの高さが、国産品の競争力にとって深刻な障害となっている。
特に、中国のECプラットフォーム「Temu」が中国からベトナムへ無料配送を実施している事実が注目される中、ベトナム国内の配送料が1件あたり2万~3万ドン(約121〜181円)かかることが対照的である。
ベトナム物流企業協会(VLA)によると、ベトナムの物流費用は国内総生産(GDP)の16.8~17%に達しており、世界平均の10.6%と比べても大幅に高い。
こうした高コスト構造は、特に価格競争力で中国からの輸入品に対抗することを難しくしている。
さらに、中国からの輸入品は電子商取引(EC)プラットフォームを通じて小口配送され、税金が免除されることも多いのに対し、ベトナム国産品はフルコストの税負担を強いられている。
物流企業のGiao Hang Nhanhによれば、過去10年で国内配送費は4万ドン(約240円)から2万5000ドン(約151円)に下がったが、中国では一時的に1件あたり3元(約64円)まで低下する例もある。
ベトナムではECの平均単価が約35万ドン(約2117円)であり、販売者は売上の10%以上を配送料として負担することが一般的である。
ベトナム国内の物流システムは、中国と比べて自動化や標準化が遅れており、配送が遅れる要因ともなっている。
例えば、配送企業の荷物回収が1日1~2回に限られているため、顧客の注文時間によっては翌日の配送になることが多い。
また、商品のパッケージングも自動化が進んでおらず、特に輸入品の再梱包に手間とコストがかかっている。
物流の初期段階である「ファーストマイル」において、中国では大規模な倉庫の集中と作業の標準化が進んでいるため、効率的な配送が可能である。
一方、ベトナムでは各物流拠点が分散しており、ハノイ市からホーチミン市までの配送が中国国境からベトナムまでの輸送よりも遅いといった事例もある。
衣料品メーカーMay 10のタン・ドゥク・ビエト社長は、物流コストの高さとシステムの非効率が、国内企業にとって大きな障害となっていると指摘する。
さらに、輸送費だけではなく、国内製造業者は他の税負担も強いられており、輸入品との競争が一層厳しくなっている。
これに対し、専門家と企業はベトナムの物流インフラの大幅な改善と、税制改革が必要であると提案する。
VLAのグエン・スアン・フン氏は、保税倉庫の整備により中間コストと配送時間を削減し、国内製品の競争力を高めるべきと述べている。
さらに、サテライト倉庫や物流の自動化への投資も重要であると指摘している。大規模倉庫が増えれば、パッケージングや配送の効率が向上し、物流コスト削減に寄与する。
また、ベトナム繊維協会のヴー・ドゥック・ジャン会長は、政府が一部の戦略的製品に対する付加価値税(VAT)や輸入税の引き下げ、倉庫建設用地や資金支援を提供すべきであると提言する。
これにより、ベトナム製品が輸入品に対抗可能な基盤が整うとされている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。