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EC市場による環境負荷、年間30万トン超の包装廃棄物
<写真:tapchitaichinh.vn>
ベトナムにおける電子商取引(EC)の急成長が、環境への深刻な影響を引き起こしており、2023年にはEC取引に伴う梱包材の廃棄量が30万トンを超えたことが明らかになった。
これには段ボールやプラスチック素材(発泡スチロール、緩衝材など)が含まれ、環境保護団体や専門家が警鐘を鳴らしている。
WWF(世界自然保護基金)の専門家によれば、2023年におけるベトナムのEC市場では18億件以上の荷物が配送され、16万トンの段ボールと14万5000トンのプラスチックが使用された。
この包装材の量は、中国の約2.7倍に相当する。
ECでは個々の商品が過剰に梱包される傾向があり、従来型の流通に比べて商品の包装比率が高い。
また、低価格商品や送料無料のサービスが消費者の無計画な購買を促進し、環境負荷を増加させているという。
調査会社ニールセンIQによると、EC利用者の多くが無計画に買い物をしており、特に低価格商品では購入決定が即座に行われる。
一部の消費者は、配送時に自身が何を購入したかすら記憶していないこともあるという。
このような行動は、分割配送や小口配送の増加を招き、廃棄物や二酸化炭素排出量の増加につながっている。
GoogleとTemasek、Bain&Companyの共同報告書によると、2024年のベトナムEC市場の規模は220億ドル(約3兆4027億4000万円)で東南アジア3位となり、2030年には630億ドル(約9兆7442億1000万円)に達すると予測される。
しかし、環境への懸念も同時に増大している。
例えば、1億件の配送に対してベトナムが使用する梱包材は16万6000トンであり、その半分以上がプラスチック素材である。この割合は中国の18%と比較して著しく高い。
こうした状況に対し、ベトナムは「グリーン基準」を早急に策定する必要がある。
一方でTikTokベトナムは、環境に配慮した製品やサービスの具体的な定義が欠如しているため、企業の取り組みが進みにくい現状を指摘している。
具体的には、紙ストローや低炭素製品とされるものが本当に環境負荷を軽減するかを示す基準がないため、一部の事業者が便乗して利益を得る可能性があると懸念される。
商務省電子商取引・デジタル経済局のレ・ホアン・オアン局長は、持続可能なEC市場の発展を目指し、経済・社会・環境のバランスを取った新たな基準の策定を進めていると述べている。
この基準は、政府への提案後、具体的な施策として導入される予定であるという。
ベトナムのEC市場は成長を続ける一方で、その持続可能性を確保するための取り組みが急務であり、市場拡大と環境保護の両立が今後の主要課題となる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。