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米国向け輸出における課題と展望、トランプ新政権の影響
<写真:baotintuc.vn>
ベトナム商工省は2025年の米国向け輸出において、将来性とともに新たな課題が浮上するとの見解を示した。
同省が主催した「2025年米国向け輸出動向に関するシンポジウム」では、欧州・米州市場局が現状の分析と対策を提示した。
ベトナム駐米商務官であるドー・ゴック・フン氏によると、米大統領選におけるドナルド・トランプ氏の再選により、保護主義的政策が世界経済に大きな影響を及ぼす可能性がある。
フン氏は貿易防衛措置や関税引き上げが2025年以降の米国向け輸出に及ぼす影響を指摘している。
実際、2024年にはベトナムからの輸出品が10件にわたり調査を受けた。
また、強制労働に反対する法令や新疆ウイグル自治区製品輸入禁止法が一部の商品に返送や通関遅延をもたらし、コスト増加の要因となっている。
このため、米国通商政策への対応策が急務である。
さらに、新たな相互主義貿易法案の成立も進められており、米国は他国との関税率の不均衡を是正するために追加関税を課す可能性があるという。
この対象には中国とインド、EU、タイ、台湾(中国)、そしてベトナムが含まれる見通しである。
一方で、2024年にベトナムと米国が包括的戦略的パートナーシップを強化したことは、両国の経済・貿易関係の深化に寄与すると評価されている。
エネルギー分野やレアアース開発協力などは特に有望な分野とされており、今後の両国間の関係をさらに強化する基盤となる。
2024年1月から10月にかけて、ベトナムと米国の貿易総額は1120億ドル(約17兆5224億円)に達し、対米貿易黒字は1020億ドル(約15兆9659億円)で前年比26%増となった。
この黒字規模は中国、メキシコに次ぐ第3位であり、ASEAN全体の対米輸出額の30%を占める。
しかし、この不均衡がさらなる貿易圧力を引き起こす可能性があるため、ベトナムは市場開放を進め、米国企業の要望に迅速に対応することで持続可能な貿易関係を構築する必要がある。
経済専門家のミゲル・A・フェレール氏によると、ベトナムの競争優位性により2025年の米国向け輸出は引き続き成長が見込まれる。
繊維、電子機器、木製品、高度技術製品といった主力輸出品目は貿易協定の恩恵を受けて成長が期待される。
一方で、保護主義政策や原産地規制、ロジスティクス費用の高騰、さらにはメキシコやインドとの競争が課題として挙げられる。
さらに、世界経済の減速や需要の低下といった外的リスクも存在しており、ベトナムは市場の多様化や技術革新、製品の付加価値向上による対応が求められる。
フン氏はベトナム企業が原産地証明の厳格化や米国の労働法規制に対応するとともに、輸出品の品質向上や技術革新を進める必要性を強調している。
また、米国市場での競争力維持のためには物流とデジタル化への積極的な投資も重要である。
2025年の米国向け輸出の成否は、新政権の政策に適切に対応する力とベトナム自身の競争力強化の取り組みに大きく依存すると言える。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。