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世界銀行の成長率予測は6.6%、政府目標の8%に乖離
<写真:znews.vn>
世界銀行(WB)はベトナムの2025年における国内総生産(GDP)成長率を6.6%と予測し、アジアで最も高い成長率を示す国の1つに位置付けた。
しかし、この数値はベトナム政府が掲げる8%以上という目標を大きく下回っている。
世界銀行が1月に発表した報告書によると、2025年のベトナムのGDP成長率は、2024年10月時点の予測値より0.1ポイント上方修正された6.6%となった。
また、2026年の成長率は6.3%とされ、こちらは従来の予測から0.2ポイント引き下げられている。
いずれの数値も政府目標に達しておらず、今後の政策や取り組みが問われる状況である。
他の国際機関による予測も世界銀行と同様に政府目標を下回っている。
シンガポールのUOB銀行は7%、イギリスのオックスフォード・エコノミクスは6.5%、アジア開発銀行(ADB)は6.6%と予測した。
しかし、ベトナムはブータンの7.2%やインドの7.2%に次ぐアジア地域第3位の成長率が見込まれており、フィリピンの6.1%、カンボジアの5.5%、インドネシアの5.1%、タイの2.9%を上回ると予測されている。
ベトナム経済は過去にも予測を上回る成長を記録してきた実績がある。
2024年には実際のGDP成長率が7.09%となり、世界銀行やADBの予測値であった6~6.6%を上回った。
こうした結果は、同国の経済的な底力を示すものであるが、2025年以降に政府目標を達成するためにはさらなる改革や投資環境の改善が必要となる。
一方、世界銀行は2025年と2026年の世界経済全体の成長率を2.7%と予測しており、パンデミック以前の水準を下回る停滞が続くと見ている。
高インフレや金利上昇が主要な成長抑制要因となっており、特に新興国経済への影響が懸念されている。
新興国は世界経済の成長の約60%を担っているが、長期的な見通しはここ20年以上で最も弱い状況にあるという。
こうした背景の中、世界銀行は現状の成長率では貧困削減や持続可能な開発目標(SDGs)の達成が困難であると警告している。
総じて、ベトナムは引き続きアジアで高い成長を維持すると見込まれているが、政府目標を達成するには国際市場や国内政策の課題に対応する必要がある。
世界経済の低迷が新興国に及ぼす影響を踏まえ、持続可能な成長を目指した戦略的な政策運営が今後の鍵となる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。