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今後5年間もFDI誘致は継続、UOBが示す課題と展望
<写真:nhadautu.vn>
ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)の専門家によると、ベトナムは今後5年間にわたり外国直接投資(FDI)の誘致を継続する見込みであるが、競争優位性を維持するためには包括的な戦略が必要である。
2024年におけるベトナムのFDI実行額は過去最高の250億ドル(約3兆9510億円)を超え、前年比9.4%増加すると見込まれている。
2024年のFDI新規登録額、追加投資、株式取得、出資総額は380億ドル(約6兆55億2000万円)に達しており、世界的な高金利や主要市場での需要鈍化といった課題がある中でも、ベトナムの製造・加工業の強みや低コストの労働力が評価されていることを示している。
ベトナムの購買担当者指数(PMI)はアジア地域で最も高い水準を維持しており、生産活動の拡大を反映している。
また、ベトナムと東南アジア諸国とのFDI誘致競争については、産業分野の違いから直接的な競合にはならないという。
たとえば、インドネシアが鉱業や天然資源分野で優位性を持つのに対し、ベトナムは製造業でその強みを発揮している。
しかし、ベトナムが競争優位性を維持し続けるには多くの課題が残る。
ベトナムはインフラ投資、デジタル化の推進、電力や水道、医療、教育などの基礎インフラ整備が必要不可欠である。
これらにより、健康的で質の高い労働力を確保し、生産性と競争力の向上が期待される。
また、FDI資金の迅速な実行を促進するためには行政手続きや制度の改善が重要である。
たとえば、ビンズオン省におけるレゴの製造プロジェクトは、登録から実行まで2年未満で完了し、ベトナムの迅速な対応力を示した。
このような実績が経済構造転換の推進に貢献している。
2024年第4四半期のGDP成長率は7.55%に達し、市場予測の6.7%やUOBの従来予測の5.2%を大きく上回った。
この成長を支えているのは、産業部門とサービス部門である。
輸出は年間14%増加し、2023年の4.6%減から大きく反転した。輸入も16.1%増加し、貿易黒字は239億ドル(約3兆7815億5600万円)と9年連続の黒字を記録している。
さらに、半導体産業の成長が2023年半ばから経済拡大を後押ししており、UOBは2025年のGDP成長率を従来の6.6%から7%に引き上げた。
2025年のベトナム経済について、UOBは以下の3つの機会を挙げている。
- 貿易多様化の推進
米国や中国への依存を減らし、アフリカ、中東、ASEAN諸国など新たな輸出市場を開拓することで、経済の多角化を進める。
- 公共投資の拡大
貿易依存度が高いベトナムにとって、外部需要の変動リスクに対応するためには、公共投資による経済基盤の強化が重要である。
- 財政政策の柔軟性
国際通貨基金(IMF)は、ベトナムの公的債務が2029年までにGDP比31%に減少すると予測している。この低水準の公的債務を背景に、政府は戦略的分野への投資を拡大し、持続可能な成長を実現することが可能な余地がある。
これらの取り組みにより、ベトナムは長期的な経済発展の基盤を強化し、国際的な競争力をさらに高めることが期待されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。