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ダナンで配達員が暴行死、配送トラブルが生む悲劇
<写真:hoahoctro.tienphong.vn>
ベトナム中部のダナン市で、男性配達員が配送トラブルを巡る暴行の末に死亡するという悲惨な事件が発生した。
この事件は37万5000ドン(約2325円)の注文品の支払いを巡る口論がきっかけで起きたとされる。
ダナン市カムレー区に拠点を置く配送会社の関係者によれば、顧客の遅延支払いと配送アプリへの「悪い評価」が事態を悪化させた可能性が高い。
配達員として働いていたのはチャン・タインさん(31)で、正式な雇用契約を結ばない協力配達員の立場で業務に従事していた。
1月17日、タインさんは清掃用品やタオルなど37万5000ドン(約2325円)相当の商品をダナン市補アヴァン郡ホアフオック街区の顧客に配達した。
配達後、タインさんは商品配送完了を証明する写真を会社に送信したが、顧客からは商品代金の支払いが行われなかった。
その後、タインさんは何度も顧客に連絡を試みたが、支払いの遅延が続き、取引が完了しないまま時間が経過した。
さらに、配送アプリ上で顧客がタインさんに「悪い評価」を付けたことも確認されている。
配送会社の規定によると、顧客から低評価を受けた配達員には罰金50万ドン(約3100円)が科される。
この罰金は配達員にとって大きな負担であり、同社の関係者は「配達員は1件の配達でわずか4000ドン(約24円)の収入しか得られない。罰金の額は非常に過酷である」と語った。
このため、会社は顧客に低評価の撤回を求めたが、顧客はこれを拒否したという。
タインさんは顧客に直接支払いを求めるため、同日午後10時頃に再び顧客宅を訪れた。
しかし、支払いを巡るやり取りは口論に発展し、タインさんは複数の人物に囲まれて暴行を受けた。
その後、タインさんはオートバイでその場を離れたが、自宅付近の交差点で再び別の人物らに襲撃された。
タインさんは全身に打撲を負った状態で自宅に戻り、そのまま翌日未明に死亡した。22日時点で関連したとされる3人が逮捕された。
タインさんの死は遺族に深い悲しみを与えている。
妻であるディン・ティ・ダオさんは「夫は配達業務だけでは生活が成り立たず、夜間は副業で鶏の解体作業をして家計を支えていた」と涙を流した。
タインさんは休む間もなく働き続け、テト(旧正月)準備のためにさらなる労働を続けていたという。
事件の数日前、給料を受け取ったタインさんはテトに向けてダオさんと娘の服を買うため、ダオさんに150万ドン(約9300円)を渡していた。
ダオさんはタインさんの分も含めて3着の服を市場で購入した。タインさんの服は箱の中で戻ることのない人物を待ち続けている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。