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1兆ドン規模の詐欺組織を摘発、被害者は1万3000人以上
〈写真:vtv.com〉
ベトナム北部バクニン省公安局は、2024年5月から活動していた大規模な詐欺組織を摘発したことを発表した。
この組織は高度な技術と巧妙な手口を駆使して、国内外で1万3000人以上の被害者から約1兆ドン(約62億4000万円)を騙し取ったとみられている。
この詐欺グループは偽の公務員を装って被害者に接触し、個人情報や財産を盗む手法を用いていた。
具体的には身分証明書の更新やオンライン手続き、健康診断、税務申告などを名目に被害者を誘導し、悪意のあるリンクを通じてスマートフォンを遠隔操作することで、銀行口座から金銭を引き出していた。
主犯格の1人であるファム・ティ・フエン・チャン(25)は、カンボジアを拠点とする詐欺会社で高い地位に就いていたという。
チャンは詐欺のシナリオを構築し、被害者心理に基づいて手口を洗練させる役割を担っていた。
組織は「Cào 1」「Cào 2」「Cào 3」という3つのチームに分かれており、それぞれが役割を分担する分業制を導入していた。
「Cào 1」は地元警察官を装い被害者に接触し、「Cào 2」は被害者のスマートフォンに悪意のあるソフトウェアをインストールさせ、「Cào 3」は遠隔操作で銀行口座から資金を引き出す仕組みであった。
この効率的な分業体制のもと、各チームの収益に応じた報酬制度も整備されていたという。
1月22日、バクニン省公安局はベトナム公安省およびサイバー犯罪対策部門と連携し、大規模な摘発作戦を実施した。捜査は国内外にまたがり、最終的に約60人が逮捕された。
このうち42人については詐欺による財産詐取罪での起訴が決定している。逮捕作戦ではモクバイ国境検問所やノイバイ国際空港に捜査チームが配置され、帰国を試みる容疑者らが一斉に拘束された。
バクニン省公安局のブイ・チエン・タン副局長は「計画的な捜査が功を奏した」と語っている。
現在、公安当局はこの詐欺組織の全容解明に向けた捜査を継続しており、関与した他のメンバーや、さらなる犯罪行為についても調査が進められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。