おすすめのプロモーション
ベトナム人の労働詐欺、カンボジアでの悲劇的な実態
<写真:dantri-com-vn>
カンボジアでベトナム人労働者が詐欺を目的とする組織に騙され、非人道的な環境で働かされる事件が多発している。
「軽い仕事で高給」という魅力的な勧誘文句に引き寄せられた被害者たちは、現地で厳重な監視の下、詐欺行為を強制される。
ホーチミン市警察はこの人身売買の実態を摘発し、容疑者の逮捕に踏み切った。
今回逮捕されたのはグエン・タイン・クオンとチャン・ニュット・ミン、ヴォー・ハイ・ズオン、ブイ・ティ・タム・トゥエン、フイン・ティ・ホアン・クエンの5人である。
このうちトゥエンとクエンは、ベトナム国内での勧誘活動を担い、「軽労働」「高収入」をうたい文句に労働者をカンボジアへ送り出していた。
カンボジアに渡った労働者たちは、中国人経営者による詐欺企業に所属させられた。
労働者たちは中国人管理者から詐欺の手口を指導され、主にベトナム人をターゲットにしたオンライン詐欺を実行するよう強制される。
詐欺の内容はアプリへの課金を装った金銭詐取が主で、労働者には厳しいノルマが課せられる。
達成不可能な場合は、給与の天引き、残業の強制、さらには暴力や虐待を受けるという非人道的な扱いを受ける。
被害者たちは敷地内に閉じ込められ、外出を一切禁じられる。
劣悪な環境の中で、逃げ出そうとする者は暴力や電気ショックを受けるほか、食事を与えられないことや、他の企業へ「売却」されることもある。
帰国を希望する場合には、高額な身代金が求められ、それを支払えない場合、家族や知人に金銭を無理に頼むように強制される。
このような詐欺ネットワークはカンボジア各地に拠点を持ち、「King Crow」「Samat」「Titan」などの名称で知られる偽装カジノや詐欺センターを有している。
これらの施設では、ベトナム人労働者が通訳や詐欺の実行役として働かされる。
また、ベトナム国内では詐欺センターに労働者を供給する代理店が活動しており、1人を勧誘するごとに報酬を得る仕組みが存在する。
このため、かつて被害者であった人々が新たな労働者を誘い込む加害者となるケースも後を絶たない。
ホーチミン市警察は現在、人身売買や詐欺に関連する容疑者の捜査を拡大しており、不法監禁や違法な高金利貸付、さらには不法入出国に関わる犯罪ネットワークの摘発を進めている。
カンボジアを拠点とするこの詐欺ネットワークは、国際的な社会問題として広がりを見せており、今後、さらなる国際協力による対策が求められる。
「軽労働・高収入」という甘い誘いに隠された罠に多くの若者が引き込まれないように、警鐘を鳴らし続ける必要がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。