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北部4省で「歴史的洪水」発生、住宅1.7万棟が浸水で甚大な被害

<写真:baomoi.com>
台風マットゥモに伴う豪雨の影響により、ベトナム北部のタイグエン省、カオバン省、バクニン省、ランソン省の4省において大規模な洪水が発生し、74の社会・地区が深刻な浸水被害を受けた。
地域によっては浸水深が3mに達し、観測史上最悪規模の水害となっている。9日時点で8人の死亡、5人の行方不明、7人の負傷が確認されており、約1万7000棟の住宅が浸水、1600棟が孤立している。
タイグエン省では、主要河川であるカウ川が氾濫し、市街地の33地区が1〜2mの水に沈んだ。電力や通信が遮断されるなど、市民生活に広範な影響が及ぶ状態となった。
気象当局は、同省で今後数日間にわたり浸水が継続する可能性があると警告している。
一方、下流のバクニン省では、カウ川およびトゥオン川の水位が急上昇し、いずれも観測史上最高値を更新した。
50mの堤防が決壊し、162mにわたって堤防が崩落。現在、1680mの区間で緊急補強作業が進められている。これにより1万人以上の住民が避難を余儀なくされている。
ランソン省では、過去最大規模の増水となった北渓川の影響により、水力発電ダム「北渓1号」が決壊した。
周辺地域の800世帯が緊急避難を行い、広範囲が浸水した。通信・電力網が全面的に麻痺したため、空軍が出動し、ヘリコプターによって9トンの救援物資が空中投下された。
カオバン省では、過去1週間の間に2度の洪水が発生し、7300棟以上の住宅が被害を受けた。中心市街地の道路は1m以上冠水し、交通機能が完全に停止している。
現在、各地では堤防の監視・修復作業とともに、救援活動が強化されており、軍や警察との連携を通じて住民の安全確保が図られている。
今回の洪水は、1971年および1986年の記録的水害と並ぶ甚大なものであり、気候変動がもたらす災害リスクの高まりを改めて浮き彫りにしている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。