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ホーチミンで過去最高水位の高潮、浸水は地盤沈下や治水事業の遅れが影響

2025年10月29日(昨日)07時00分 公開
ホーチミンで過去最高水位の高潮、浸水は地盤沈下や治水事業の遅れが影響

<写真:znews.vn>

 

10月下旬、ホーチミン市において過去数年で最も高い水位の高潮が観測され、市内各地で深刻な浸水被害が発生した。南部の低地に位置するチャン・スアン・ソアン通り、ファム・フウ・ラウ通り、レ・ヴァン・ルオン通り、国道50号線などでは、道路が50cm以上水没したほか、東部のタインダ半島(旧ビンタイン区)やタオディエン(旧トゥードゥック市)でも広範囲で冠水が確認され、交通が麻痺した。

 

とりわけ被害が顕著であったのはタインダ半島であり、10月23日から25日にかけて、集合住宅E棟およびF棟が連日50cmを超える浸水に見舞われた。住民は土嚢やバリケードを用いて対応を試みたが、急激な水位上昇により対応が追いつかず、サイゴン川沿いのレストランや観光施設では防水壁が崩壊し、1mを超える浸水が発生した。

 

気象水文局によると、今回の高潮は2019年以来の記録的水位であり、フーアン観測所(旧1区)では1.77m、ニャーベーでは1.78mを記録し、過去25年間で30cm以上の上昇が確認された。また、ビンズオン省のトゥーダウモット観測所では1.87mを観測し、平年値を大きく上回る結果となった。

 

一部では、水力発電ダムの放流が高潮のピークと重なったことが被害を拡大させたとの指摘もある。農業・環境省の担当者は、治水の観点から放流は必要であるものの、今回のように高潮の最中に重なることは「最悪のタイミング」であるとし、市の排水能力の限界とインフラの老朽化が浸水被害を深刻化させたと説明した。

 

さらに、急速な都市化と地下水の過剰な汲み上げにより、地盤沈下の進行が指摘されている。観測によれば、2009年から2019年の10年間で年平均4cmの地盤沈下が確認されており、とくにサイゴン川沿いの低地で顕著であるという。

 

研究者であるレ・チュン・チョン准教授は、商業施設が集中する一部地域では年間8cmに達する例もあり、これが浸水リスクを一層高めていると警鐘を鳴らした。現在の技術では地盤沈下のモニタリングが可能であり、都市計画において不可欠なデータとして活用すべきであると指摘している。

 

ホーチミン市は緊急対策として、サイゴン川右岸の堤防整備やタインダ半島の護岸工事を進めている。また、2016年に着工された総事業費1兆ドン規模の高潮防止プロジェクトも継続中であり、完成すれば市中心部および南部6区に住む約650万人を高潮から保護することが期待されている。

 

しかしながら、用地取得をめぐる法的問題により、進捗率90%のまま数年間にわたり工事が停滞しているのが現状である。

 

ホーチミン市は最近、用地提供に関する補完案を示しており、手続きが10月中に完了すれば、同プロジェクトは2026年12月までに稼働可能とされている。これにより、現在頻繁に冠水しているファム・フウ・ラウ通りやレ・ヴァン・ルオン通りなどの「浸水多発地域」における状況改善が期待されている。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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