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ベトナムで活躍する日本人|フィットネスに打ち込む福富氏、逆境と挑戦の2025年
ベトナムで活躍する日本人としてポステで3度にわたり取り上げた福富氏。2022年の初登場から2024年まで、優勝〜日本人として初ジャッジになったこと、今後の挑戦と想いを報じてきた。
年を追うごとに着実な成長を遂げてきた福富氏にとって、2025年はその努力が大きく結実すると同時に、人生を揺さぶる出来事に直面する一年となった。
2024年、福富氏は長年の目標であったインターナショナルマスタートレーナー資格の取得と、念願であったプロカードの獲得という大きな節目を迎えた。
ニュージーランドで開催されたプロ戦では2位という好成績を収め、「世界」という言葉がより現実味を帯びて見えるようになった。さらなる飛躍を誓った矢先、思いもよらぬ形で彼の歩みにブレーキがかかることとなる。
ある日、体調不良を感じて病院を受診した福富氏は、医師から急性虫垂炎と診断され、そのまま緊急手術を受けることとなった。
「まな板の上の鯉とはまさにこのことでした」と振り返るように、本人の意思とは無関係に事態が急展開していく中、麻酔が効き始めるわずかな時間に「やっておけばよかった」という後悔が走馬灯のように脳裏を駆け巡ったという。
術後の痛みが残る中、満足に動くこともできず、ベッドに横たわりながら白い天井を見上げる時間は、これまであまり意識してこなかった「自分の人生」と強制的に向き合う機会となった。
動けない日々の中で募っていったのは、焦燥感と不安、そして「本当はこうしたかった」という純粋な欲求であった。
「早くトレーニングがしたい」「ラスベガスの大会に出たかった」「ヨーロッパの大会にも挑戦したい」「最後にあんこを食べておきたかった」「大会後にアメリカのハンバーガーを食べたかった」──浮かび続ける想いを、福富氏は一つひとつ紙に書き出していった。

退院後は、痛みを抱えながらも日常業務に復帰し、与えられたタスクを淡々とこなす日々が続いた。しかし、ある日ふと、手術前に感じた強烈な後悔と、白い天井の下で書き記した夢のリストを思い出す。
「このままでは、また同じ後悔を繰り返すかもしれない」。その気づきが、福富氏の内に眠っていたスイッチを押すこととなった。
紙に書いた目標をただの願望で終わらせず、PDCAサイクルに落とし込み、マインドマップで可視化し、具体的な行動へと変換する取り組みを開始した。
目標を小さなステップに分解し、日々のスケジュールに組み込んでいく中で、心身のリズムは次第に整っていった。掲げたボディメイクの目標も、当初の計画より早い段階で達成することができたという。
後日、医師から「手術があと少し遅れていたら危なかった。もっと自分を大切にしなさい」と告げられた言葉は、福富氏にとって人生を見直すきっかけとなった。
「時間がないから」と後回しにしていたことが、やがて自分に返ってくる──その現実を、福富氏は身をもって実感した。
「白い天井の時間」を経て、自らの人生を再構築しようと動き始めた福富氏は、再び世界へと目を向けた。
退院後に練り直した計画に基づき、長年の夢であったヨーロッパやアメリカでの大会に挑戦。2025年、ついにその舞台に立つ日が訪れた。

各地の大会で見事に入賞を果たし、特にラスベガスで開催されたNatural Olympiaでの入賞は、かつて夢のまた夢と語っていた目標が現実となった瞬間であった。
白い天井を見上げながら紙に書いた「ラスベガス」「世界の大会」という言葉が、一つずつ現実に変わっていったのである。
この一連の経験を通じて、福富氏は3つの大きな教訓を得たと語る。
第一に、体調管理と健康の重要性である。どれほど大きな夢を持っていても、健康でなければ何も始まらない。大会も仕事も、日々の積み重ねも、すべては身体が動いてこそ成り立つのだという、ごく当たり前のことを深く認識するようになった。
第二に、行動することの価値である。「後悔のない人生」は理想かもしれないが、何も行動しない人生の方が、はるかに悔いが残る。「ああしたい」「こうしたい」と思うだけでは、成功も失敗も生まれない。その想いは、またいつか白い天井を見上げたとき、「やっておけばよかった」という後悔に変わってしまうことを痛感した。
第三に、過去には戻れないが、未来には何度でも挑戦できるという事実である。恥をかいても、格好悪くても、トライ&エラーを重ねることこそが自己実現への道であり、最終的には自分だけの「納得できる人生」を築いていくのだと信じている。

緊急手術という予想外の試練と、世界大会での入賞という成果。その両方を経験した2025年は、福富氏にとって、自身の生き方と改めて向き合いながら、次なるステージへと踏み出す転機の年となった。
白い天井の下で「もう一度前に進みたい」と誓った想いは今も色あせることなく、福富氏の原動力となっている。
「人生は一度きり。だからこそ、悔いのないように挑戦し続けたい」。その言葉どおり、福富氏の視線はすでに、次なる挑戦へと向かっている。
2025年、ベトナムから世界へ。福富氏の挑戦は、今年も多くの人に勇気と希望を届けている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。