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サイゴン等の名称はいつから?ホーチミンの地名に宿る歴史

2026年01月01日(本日)07時00分 公開
サイゴン等の名称はいつから?ホーチミンの地名に宿る歴史

<写真:thanhnien.vn>

 

ホーチミン市に点在する「ゴーヴァップ(Gò Vấp)」「ホックモン(Hóc Môn)」「サイゴン(Sài Gòn)」といった地名には、かつての自然環境や民族、そして歴史的背景が色濃く反映されている。

 

これらの地名は、開拓期の地理や植物、文化の記憶を現代に伝える重要な手がかりである。

 

ゴーヴァップは17世紀初頭に阮朝の南進政策によって開拓された地域であり、1698年には嘉定府新平県の一部として正式に行政区画に編入された。

 

その名称の由来は「ゴー」が高台を意味し、「ヴァップ」がこの地に多く自生していた木の名であることに基づく。

 

「ヴァップ」はチャンパ語では「クライ」と呼ばれ、現在でもホーチミン市内の動植物園で確認することができる。

 

こうした自然地形と植生に因み、「木々に覆われた丘」として「ゴーヴァップ」と名付けられた。

 

ホックモンは19世紀初頭に地名として記録に現れ、1915年には嘉定省の行政拠点となった。現在ではホーチミン市の郊外に位置する地域である。

 

その名称は「ホック」が遠方あるいは小さな水路を、「モン」が湿地に育つタロイモの一種を意味するとされ、湿地帯に広がる自然環境が地名に反映された形となっている。

 

サイゴンという地名は17世紀に登場し、1674年には現在のチョロン地区に当たる場所に城塞が築かれた記録が残っている。その語源については複数の説が存在する。

 

一説には、クメール語の「プレイノコル」(森の中の町)に由来するとされ、もう一説では、広東語の「堤岸(ディーガン)」がベトナム語に転じたものと考えられている。

 

いずれにしても、歴史的な交流と文化的接触の中で形成された地名である。

 

また、ホーチミン市中心部には、歴史的な人物の名を冠した通り名も残されている。

 

例えば「コーバック」通りおよび「コーザン」通りは、ベトナム国民党に属していた女性革命家、グエン・ティ・バック(コーバック)とグエン・ティ・ザン(コーザン)の姉妹に由来する。

 

彼女たちは1929年のイエンバイ蜂起に参加し、独立運動に身を捧げた。現在では、これらの通りは観光客にも人気のグルメ街としても知られている。

 

「ダムセン公園(蓮の沼)」の名は、19世紀に嘉定の名勝として親しまれていた蓮池に由来する。

 

詩人チン・ホアイ・ドゥクの詩にも詠まれたこの場所は、長らく放置されていたが、1976年に市によって再整備され、現在では市内有数の娯楽施設としてにぎわっている。

 

これらの地名は、都市化が進む中にあっても、ホーチミン市の歴史や文化的背景を伝え続けている。

 

それぞれの名称に込められた由来は、地域の記憶を今に伝える貴重な文化遺産といえる。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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