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ベトナム航空、今年アメリカ直行便就航へ
女性がハノイのベトナム航空のチケット売り場を通り過ぎる様子。ベトナム航空はアメリカへの直行便を就航する国内初の航空会社になる見込みだ。©Reuters
ベトナムとサンフランシスコ結ぶ直行便が就航する見込みだ。
ベトナムの各国航空会社はアメリカへの直行便就航に向けて準備をしており、ベトナムと最大の輸出相手国であるアメリカのつながりを強める新たな時代を迎えている。
ベトナム航空を含む3つの航空会社は、年内中にアメリカ行の直行便を就航させる予定だ。また就航に際して移動時間が約8時間短縮される予定だ。
現在、国内の商業中心地であるホーチミンから韓国の仁川国際空港を経由してサンフランシスコへのフライトは20.5時間を要する。直行便が就航されるとサンフランシスコや西海岸地域の他の主要都市へのフライトは約13時間となる。
2国間の経済関係は近年着実に成長しており、アメリカはベトナム製商品を取り扱う最大の市場であり、在米越人は200万人いる。
2月、アメリカ連邦航空局(FAA)はベトナムが国際的な安全基準を遵守していると発表し、ベトナムの航空会社はアメリカへの直行便運行が可能となった。
FAAは、ベトナムの民間航空機関に対し、国際航空安全プログラムに基づくカテゴリー1の評価を与えたことで同機関の人員の免許、運用および耐空性に関する基準が満たされていることが証明された。
ベトナムの航空会社は航空当局の航空管制と事件対応能力の点で国際基準を満たしていなかったため、直行便就航の承認が得られなかった。当局がカテゴリー1の評価を得られたことで、ベトナムの航空会社はアメリカへの直接便就航を許可された。
2月、ハノイで開催されたアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長との第2回米朝会談が開催されている最中、ベトナムの格安航空会社2社は209億ドル(約2兆3000億円)の契約に署名した。
ベトジェットエア社はボーイング社から737Maxの航空機100機を127億ドル(約1兆4000億円)で購入することに合意した。同取引にはMax 8sの航空機20機と大型のMax 10新モデル80機も含まれている。ボーイング737Max8は昨年から2度の事故を起こし、世界中で運行停止となった。
東南アジア諸国最大の格安航空会社であるベトジェットエア社は、航空機エンジンとメンテナンスサービスのためにGE(ゼネラル・エレクトリック社)と53億ドル(約6000億円)の契約を結んだ。一方、1月に就航を開始したBamboo Airways社も、ボーイング787を29億ドル(約3200億円)以上購入する契約を結んだ。
「パートナーとして前進していくことは、アメリカ国民とベトナム国民のために大きな繁栄と成功をもたらすであろう」とトランプ大統領は述べた。
ベトナム航空とベトジェットエアがアメリカへの直接便を最初に就航させる可能性が高い。アメリカの航空会社も今回の新しいビジネスチャンスを利用を検討する事が見込まれている。
ベトナムの航空会社は、ベトナム人コミュニティのあるサンフランシスコや他の大規模な都市への運行を開始し、その後ワシントンやシカゴのような他の主要都市にサービスを拡大することが見込まれている。
Bamboo Airwaysアメリカ拠点の最高経営責任者(CEO)Trinh Van Quyet氏は日経新聞の取材に対し、ベトナム人観光客や海外にいるベトナム人の間でアメリカへの直行便は需要が高い事が予想されると語った。 「今後3年間で、特にアメリカとヨーロッパへのサービスの拡大に注力する」と同氏は語った。
ベトナム戦争の間、ベトナム南部に住んでいたベトナム人富裕層はアメリカ西海岸部に移住した。ベトナムにマクドナルドを紹介した人物として知られているHenry Nguyen氏、そしてハイランドコーヒーショップを設立したDavid Thai氏を含むベトナム系アメリカ人の中にはアメリカにてビジネスの成功を収めている人も多い。
ベトナム観光局によると、2018年に約69万人がアメリカからベトナムへ旅行で訪れ、前年比12%、5年前比60%増加した。アメリカは、中国、韓国や日本に続いて、ベトナムを訪れている国として4番目にランクした。またベトナムからアメリカへの訪問者数は10万人を超えた。
しかし、アメリカへの直行便を運行することでベトナムの航空会社にとって、即座に収益化に繋がるとは限らない。
ベトナム航空のCEOであるDuong Tri Thanh氏は地元メディアに対し、初年度にアメリカへの直行便を就航することで3000万ドル(約33億円)を損失すると発表した。同氏は、直行便が収益を上げるには少なくとも5年は必要とされると述べた。
一方、国内線のベトナム市場は今後数年間で競争が激化することが見込まれる。Bamboo Airwaysだけでなく、旅行会社を運営するVietravel社も航空会社設立の許可を申請している。
国内航空市場を制した航空会社がアメリカへの直行便を提供することが現実的だが、利益化には時間が必要と予想される。
「5つ星の航空会社になることを目標にサービスの質を高め、国内の競合他社との差別化を図っている」とBamboo Airways社CEOのTrinh Van Quyet氏は日経新聞の取材に対して語った。現在、航空会社のレビューおよび格付けを行っているイギリスのSkytrax社によって格付けされた5つ星のタイトルを受賞したのは、世界で11社だ。
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