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ベトナム南部で野生動物の密売が横行

2022年05月27日(金)13時49分 公開
ベトナム南部で野生動物の密売が横行

〈写真:Tuoi Tre〉

 

ドンタップ省トラムチム(Tram Chim)にあるタムノン(Tam Nong)市場は、かつてベトナム南部における野生動物の密売の温床となっていた。

 

現在では、近隣のトラムチム国立公園やカンボジアから絶滅の危機に瀕した野生動物が地元市場へ持ち込まれることは少なくなったものの、依然としてこの地域全体で密売組織が希少動物の飼育や食肉加工を行っている。

 

同省での野生動物の取引は減少しているが、タムノン市場では今でも希少動物を扱う業者がいる。

 

地元報道機関が取材を行なったTさんは、冷凍・冷蔵のアメリカマムシやアマガサヘビなどを扱っており、タムノン市場で最も大きな野生動物販売業者だと自称する。

 

Tさんの家には、野生動物の肉が詰められた大型冷凍庫3つがあり、ホーチミン市やビンズオン省のレストランへ卸すコウノトリやダイサギの肉が保存されている。

 

これらの動物の肉は禁止されており、ほとんどは洪水の季節に水田やトラムチム国立公園で密猟されたものだという。

 

トラムチムから20キロほど離れたタンコンシン(Tan Cong Sinh) 市場には、野生動物の卸売業者が軒を連ねている。

 

この市場のある屋台では、禁制品であるコウノトリ肉を売っているが、当局の押収・罰金を避けるために店頭には出していない。取材時には、屋台奥の冷凍庫に1羽18万ドン(約983円)のコウノトリが17羽入っていた。

 

屋台店主のNさんによると、絶滅の危機に瀕している動物の輸送は生きていなければ容易であり、冷凍肉であれば発泡スチロールの箱に入れてテープで封をするだけで良い。

 

警察の取り調べに遭っても、「合法的な動物だ」と言えば済むという。

 

ロンアン省タインホア郡にあるタインホア鳥市場では、新型コロナウイルス流行時に当局が取り締まりを始めたため、かつて賑わっていた希少鳥の取引は秘密裏に行われるようになった。

 

同市場で地元報道機関の覆面記者がバイヤーと名乗り屋台の持ち主に近づくと、ある店主は「希少なカメの入手が可能」と屋台の裏手に案内し、十数匹の取引が禁じられているカメが入った袋を差し出した。

 

別の屋台でも同様に店頭には展示されていないが、奥の部屋や裏手に保管されているという。

 

こうしたカメの輸送は市場周辺では当局が取締りを行なっているため、販売者から別ルートで購入者へ届けられる。

 

別の売店では、覆面記者がメンフクロウの購入を希望すると、店主は「すぐには手に入らないが、1羽25万ドン(約1365円)で簡単に狩ることができる」と言った。

 

その30分後、店主から電話があり、フクロウが手に入ったという。

 

ホーチミン市ビンタイン区にあるDieu Phapパゴダには、野生動物を専門に販売する店が5軒ある。

 

ここの店舗でも同様に、希少なカメを販売しているが、当局の取締りを避けるために店頭には展示されていない。

 

同市クチ郡のザン橋からティンクアン塔に向かう通りにも、10軒の鳥屋がある。中には希少種のカメを展示している店もあり、店員は熱心に客引きを行なっている。

 

鳥やカメ、巨大なアオウミガメを専門に扱う店のオーナーによると、購入者は黒いビニール袋に入れてしまえば同市内での移送には何も障害がないという。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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