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ベトナムの航空各社、国内運賃の上限引上げ・撤廃を要請
〈写真:Tuoi Tre〉
多くのベトナムの航空会社は、乱高下する燃料費によって大きな損失を被ったため、国内航空券の上限価格をさらに引き上げるか、撤廃することを提案している。
航空会社の主張によると、航空券がパンデミック前よりも上昇しているにもかかわらず、容赦なく上昇する燃料費の補填により利益が上がっていない。
ハノイ市〜ホーチミン市間のエコノミークラスの往復航空運賃は1席あたり300万〜500万ドン(約1万7420〜2万9030円)、ビジネスクラスは800万〜1700万ドン(約4万6460〜9万8720円)となっており、新型コロナウイルスの流行による乗客不足の時期と比較して20〜50%上昇している。
ダナン市やフーコック島などの有名観光地への航空運賃は1時間ごとに変動しており、早朝や深夜便であっても安い航空券を見つけることは困難である。
多くの顧客は、航空各社が世界の原油価格の上昇に端を発した燃料価格の上昇を不当に利用し、パンデミック中の損失を補うために航空券を押し上げたのではないかと推測している。
一方で、航空会社は1バレル70〜80ドル(約9490〜1万840円)であった世界の石油価格が130ドル(約1万7620円)に、さらに6月28日には162ドル(約2万1960円)に急騰し、燃料費が数千億ドン(1000億ドン=約5億8070万円)押し上げられたと指摘する。
こうした燃料費負担増のため、多くの航空会社は航空券の価格を値上げし、支出の増加を補わなければならない。国内航空会社関係者によると、燃料費の高騰に加えて市場の旅行需要の高さも航空券の高騰の要因になっている。
夏の旅行ブームによって6月〜8月中旬までのフライトの需要が高くなっており、2〜3ヶ月前にチケットを予約した顧客は1枚あたり約100万ドン(約5800円)を支払う一方で、同じフライトを直前に購入した顧客は1席あたり170万~200万ドン(約9870〜1万1610円)を支払わなければならない。
ベトナム航空、バンブー・エアウェイズ、パシフィック航空、ベトラベル航空、ベトナムエアサービス、ベトジェットエアの国内航空会社6社のうち、営業利益を発表したのはベトジェットのみで、他は運賃、乗客数ともに大幅に増加しているにもかかわらず、大きな損失を被っている。
今年第1四半期、ベトジェットの連結売上高は4兆522億ドン(約235億3073万円)、税引き後利益は2440億ドン(約14億1688万円)で、それぞれ2021年同期比12%増、98%増を記録した。
ただし、ベトジェットの利益は主に金融投資活動によるもので、これがなければ2570億ドン(約14億9237万円)近い総損失を被ったことになる。
業界専門家によると、ここ数カ月の燃料価格の高騰はベトナム航空(VNA)を筆頭とする多くの航空会社の財務状況を悪化させた。
VNAのチン・ホン・クアン副社長によると、2019年にはVNAの総コストのうち燃料費が占める割合は28〜29%だったが、現在は38〜40%に急増している。2022年末まで世界の原油価格が1バレル150〜156ドル(約2万330〜2万1150円)で推移した場合、同社は約8兆ドン(約464億5521万円)の追加コストを負担しなければならない。
こうした状況によってVNAや他の多くの航空会社は当局に対して、航空運賃上限の引上げ・撤廃を行い、投入経費に基づいた柔軟なチケット価格の決定ができるようにすることを要望している。
ベトナム民間航空局(CAAV)は、航空会社がコストをカバーするために航空運賃を柔軟に調整できるように、国内航空券の上限価格を引き上げることを再度提案した。
2ヶ月前、CAAVは短距離路線(500〜850km)と長距離路線(1280km以上)の航空券をそれぞれ5万ドン(約290円)、25万ドン(約1450円)の値上げを提案した。
経済専門家のレ・ダン・ドアン博士は、航空運賃の上限は石油市場の変動に合わせて調整されるべきであると指摘する。上限額の引き上げや撤廃は、公正な競争の要因が十分に存在する状況下であれば実行可能である。
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