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需要減によりサムスン電子が減産、ベトナム工場の労働者へ大打撃

2022年08月05日(金)15時22分 公開
需要減によりサムスン電子が減産、ベトナム工場の労働者へ大打撃

<写真:Tuoi Tre News>

 

サムスン電子は世界的な消費支出の落ち込みによる在庫の増加を受け、ベトナムのスマートフォン工場での生産を縮小している。

 

Best BuyやTarget Corpといったアメリカの大手小売業者によると、パンデミック初期に散財した買い物客が買い控えを起こしていることによって売上が鈍化しており、アメリカ最大の倉庫市場は在庫で溢れている。

 

ベトナム政府によると、この影響はベトナム北部タイグエン省で顕著に現れている。同省にはサムスン電子のモバイル製造拠点があり、同社製スマートフォンの半数が生産されている。

 

サムスン電子ウェブサイトでは、同省の工場では年間約1億台のデバイスを製造する能力があるとされている。

 

工場労働者のトゥオンさん(28)によると、同社工場での勤務日数は週3日に制限され、一部ラインの稼働は以前の週6日から週4日に調整されている。新型コロナウイルスの流行がピークであった昨年同時期には活発に生産が行われていたが、現在は低調となっている。

 

同社はロイター通信に対し、ベトナムでの年間生産目標の引き下げについては議論していないと述べている。

 

下期のスマートフォン需要については比較的楽観的で、先週の決算説明会では、供給の混乱はほぼ解消され、需要は横ばいか一桁の伸びとなるだろうとの見方を示している。

 

同社の折りたたみ式スマートフォンの販売台数は、下期には旗艦スマートフォンであった「ギャラクシーノート」の販売台数を上回ることを目標としており、10日には最新の折りたたみ式スマートフォンが発表される予定である。

 

しかし、ロイター通信が労働者12人に対して取材を行ったところ、ほぼ全員が「商売はうまくいっていない」と話している。サムスン電子で5年ほど働いているトゥオンさんとその同僚たちによると、今回以上に深刻な減産は過去には発生したことがない。

 

例年6〜7月頃には残業が発生しない時期があるが、労働時間の削減は発生していなかった。管理職からは在庫が多く新規の注文があまりないと伝えられているという。

 

調査会社ガートナーは消費者支出の削減と中国での急激な販売減少により、今年は世界のスマートフォン出荷台数が6%減少すると予想している。

 

サムスン電子はスマートフォンや部品の製造〜冷蔵庫や洗濯機の製造を行う工場をベトナム国内に6工場持っており、ベトナム最大の外国投資家・輸出業者となっている。

 

同社はベトナムに180億ドル(約2兆3991億円)の資金を投入し、ベトナム経済成長の原動力となっている。また、サムスン電子1社でベトナムの総輸出額の5分の1を占めている。

 

10年近く前にハノイ市から65キロ離れたタイグエン省に進出した同社は、農業地帯を広大な工業地帯に変貌させ、今ではシャオミ社を含む中国ブランド向けのスマートフォンも生産している。

 

食事や宿泊の補助を含む手厚い福利厚生が何万人もの若い労働者をこの地域に呼び寄せたが、今回の労働時間の短縮によって多くの労働者が困難な状況に陥りつつある。

 

同社で就業するトゥオイさんによると、週休4日に変更されたことにより先月の給料は半分になったという。

 

現時点で雇用の削減については発表されていない。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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