工場労働者の多くが副業、生活費や教育費の工面で ホーチミン市

2022年05月24日(火)13時13分 公開
工場労働者の多くが副業、生活費や教育費の工面で ホーチミン市

<写真:VN Express>


ホーチミン市の多くの労働者が、日々の生活費や子どもの教育費などをまかなうために、工場外で副業をしなければならなくなっている。

 

ビンタン区のPou Yuen Vietnam社の靴工場で働くNさん(38)は仕事を終えると9歳と11歳の子どもに夕食を作るために急いで帰宅する。

 

しかし、夕食を作った後、Nさんはウェイトレスとして働くために5kmほど離れたレストランに向かう。

 

Nさんの夫も靴工場で働いており、2人合わせて毎月1600万ドン(約8万8150円)前後の収入を得ている。

 

毎月、Nさん夫婦は家賃と光熱費に300万ドン(約1万6530円)以上、子どもたちを学校に通わせるのに500万ドン(約2万7550円)以上使っており、残業しなければ子どもを育てるのに十分な収入が得られないという。

 

しかし、Nさんが働く工場では残業があまりなく、残業しても1時間程度であるため総収入を上げることはできない。

 

Nさんの夫は、子どもたちを朝早く学校に送り届け、午後に迎えに行く役割を担当しており、Nさんが副業をしている間は、夫が家で子どもたちの面倒を見ることになる。

 

Nさんは、毎日17時半〜23時までレストランで働き、月400万ドン(約2万2000円)の副収入を得ている。

 

毎晩、Nさんが家に帰る時は、夫と2人の子どもが就寝した後だという。

 

労働者5万3000人以上を雇用するPou Yuen Vietnamの労働組合会長Cu Phat Nghiep氏は、工場外で副業をする労働者の数は「かなり多い」と報告した。

 

また、会社が主催しているマニキュアやペディキュア、メイクアップ、ヘアドレッシングなどのトレーニングコースを受講し、これらのスキルを活かして収入を増やす労働者もいるという。

 

同市7区のタントゥアン輸出加工区(EPZ)の労働者Hさん(37)は、工場退勤後は配車サービス会社のドライバーとして働いている。

 

両親の生活を助けるために平日の昼間は整備士、夜は運転手として働き、週末は一日中運転手をしている。

 

ベトナム労働総同盟の労働者・労働組合研究所(IWTU)の2020年の調査によると、工場労働者の8%近くが副業を行い、月平均80万ドン(約4400円)以上の副収入を得ている。

 

2022年初めに発表された同市労働連合の調査によると、繊維・衣料品部門の女性労働者の多くは工場外で副業することを選択している。

 

調査対象となった労働者1400人以上のうち、5%がレストランでウェイトレスとして働き、5.5%が自宅で服作りの注文を受け、ほぼ90%がオンラインプラットフォームで商品を販売している。

 

IWTUによると、一般的に工場労働者の平均月収は580万ドン(約3万1960円)であるが、生活するためには750万ドン(約4万1320円)以上必要となる。

 

IWTUのVu Minh Tienディレクターは、労働者が副業をする場合、「副業のために捨てなければいけないものが多い」と話す。

 

過労により、健康状態は早期に悪化し、家族、特に子どもと一緒に過ごすことができなくなる。

 

また、労働者が就く副業には保険がないことが多く、何らかの労働災害が発生した場合、誰も利益を保証することがない。

 

 

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