おすすめのプロモーション
ベトナムの億万長者の給与事情、ビングループ会長などが無給を選択
<写真:VN Express>
数十億ドルを超える収益を上げる巨大企業の会長でありながらも、ベトナムの億万長者の中には無給を選択する者もいる。
ビングループの半期監査済み財務報告書によると、同社は取締役会(BOD)や一般取締役、その他の経営陣を含む主要メンバーへの報酬として240億ドン(約1億4346万円)を計上している。
しかし、同グループのファム・ニャット・ブオン会長とその他のBODメンバー数名は給与を受け取っておらず、同会長は2021年上半期にも給与を受け取っていないことが報じられていた。
フォーブス誌によれば、ブオン会長は現在50億ドル(約7015億7250万円)の純資産を所有している。
今年上半期、ビングループの連結純収益は約31兆6000億ドン(約1885億673万円)となり、建設中の不動産プロジェクトなどが原因で前年同期の半分近くに減少した。
一方でホテルとエンターテイメントが80%増、健康と教育がそれぞれ43.6%、14%増となるなど、他の事業は順調に回復と成長を遂げた。
今年上半期の同グループの税引前利益は3兆5000億ドン(約209億1380万円)近くに達している。
ブオン会長と同様に他のベトナムの億万長者も給与を受け取っていない。
最大手の鉄鋼メーカーであるホア・ファット・グループの報告書によると、昨年同期にはBODメンバーへ170億ドン(約1億154万円)以上の給与が支払われていたが、今年上半期にはチャン・ディン・ロン会長とBODメンバーへの給与支払いは行われていない。
また、同グループ幹部への給与・賞与の支払いも激減しており、昨年同期の4分の1に相当する50億ドン(約2986万円)強にとどまっている。
今年上半期は鉄鋼業界にとって困難な時期となり、同グループの第2四半期の利益は前年同期の9兆7000億ドン(約579億2119万円)から激減して4兆ドン(約238億8503万円)強であった。
売上高は82兆1180億ドン(約4904億1056万円)、税引き後利益は前年同期比27%減の12兆2290億ドン(約730億3187万円)となった。
これらの数字は株価の下落にも反映されており、ホア・ファット・グループの株価は35%近く下落した。ロン会長の純資産は20億ドル(約2806億1100万円)に引き下げられ、フォーブスが以前に発表したデータと比較すると12億ドル(約1683億6660万円)の減少となっている。
マサングループのグエン・ダン・クアン会長も同様であり、同グループの監査済み財務報告書によると、2022年の上半期に主要な経営陣への報酬に1060億ドン(約6億3300万円)近くを支出しているが、BODメンバーは2020年以降の給与を受け取っていない。
テクコムバンク(Techcombank)の監査済み財務報告書によると、同銀行は管理職への報酬に2100億ドン(約12億5400万円)以上を費やしており、ホー・フン・アイン会長はBODと監査役とともに190億ドン(約1億1300万円)近くを受け取っている。
ベトジェット(Vietjet)も同様で、グエン・ティ・フオン・タオ社長とBODメンバーは今年上半期に合計127億ドン(約7583万円)の収入を得ている。
不動産会社ノバランド(Novaland)に関しては、今年上半期の主要経営陣の報酬は前年比10%以上減となる約104億ドン(約6207万円)であった。
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOやTeslaのイーロン・マスクCEO、Googleの共同創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏、Appleのスティーブ・ジョブズ氏などは給与が1ドルの億万長者として知られており、世界の大企業のCEOや会長が無報酬であったり給与が1ドルといったことは珍しいことではない。
給与はこれらの億万長者が受け取ることのできる収入の一部に過ぎず、CEOや会長は業績や特定の契約条件に基づいて、ストックオプションや株式ボーナス、あるいは事業目標に関連するボーナスから収入を得ることになる。
ベトナムの億万長者も同様で、経営者であると同時に大株主でもあるため、年間配当金や従業員ストックオプション制度などの恩恵によって最大で数百万ドルの収入を手にすることができる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。