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工場受注の落ち込み、非正規労働者の大量解雇が進む
<写真:VnExpress>
世界的なインフレによる主要輸出国の消費低迷を受け、ベトナムの製造業では非正規労働者が急に大量解雇される事態が起きている。
トゥードゥック市在住のリンさん(36)は10月初め、出勤する数時間前に「あなたは解雇されました。本日の夜勤から出社する必要はありません」というテキストメッセージを上司から受け取った。
リンさんは何かの間違いだと思ったが、直ぐに仕事のチャットグループからも外されてしまい、解雇が現実であることを理解した。非正規労働者であるリンさんは解雇に対する補償を受けられず、失業給付の対象にもならなかったという。
この数週間にわたって転職先を探しているが良い結果は得られておらず、4人家族であるリンさんの生活は運転手として働く夫の月収1300万ドン(約7万6390円)で賄われている。
リンさんが勤務していた企業はこの数ヶ月で受注が30%減少しており、非正規労働者2400人以上を解雇している。
同社のルー・キム・ホン労働組合委員長によると、同社の非正規労働者数は7月上旬の4200人から10月には1800人に減少し、正規労働者はわずか100人増の2800人に留まっている。
今年の初めに多数の企業が労働者不足に陥っていた際、多くの労働者が就業開始と退職が容易な非正規労働者を好んで選択したという。
しかし、現在では受注の減少によって法的な約束のない非正規労働者の解雇が進められており、補償や支援を受けられない非正規労働者が困難に直面している。
ホーチミン市在住のバンさん(38)は10月に衣料品工場から解雇され、人材紹介会社に相談を続けているが、仕事を見つけるのは難しいだろうと伝えられている。
人材紹介会社Lam Thinh Phat社のリクルーターによると、工場の労働者需要が激減しており、昨年同期には20社が同社を通じて労働者1000人を募集していたが、現在は2社で労働者150人を募集しているだけである。
また、各工場が採用基準を引き上げており、昨年までは健康な労働年齢であれば採用基準内であったが、現在は多くの企業が少なくとも中学を卒業した18歳〜35歳までの労働者を優先的に採用しているという。
労働者は就職できたとしても、仕事量が少なく、残業もほとんどないため、以前と同じ収入を確保することは難しい状態となっている。
ホーチミン市タンビン区にある衣料品会社Donyの代表によると、パンデミックの影響を大きく受けた昨年から労働者が非正規雇用を好む傾向が強くなっている。
社会生活研究所のグエン・ドゥック・ロック所長は人々が非正規労働を選ぶ理由の1つを、社会保険を支払う必要がなく、その金額が直接収入に加算されるため、家計のやりくりに苦労している人たちに好んで選択されていると説明する。
同所長は企業の非正規労働者使用を制限し、非正規労働者がよりよく保護されるように、公的な政策を変更する必要があるとしている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。