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ベトナム経済は強い逆風に直面:世界銀行
〈写真:VnExpress〉
世界銀行によると、ベトナム経済は外需の減速とインフレの上昇、国内金融情勢の引き締めによって強い逆風に直面している。
高インフレや世界的な金融情勢の引き締め、世界的な不確実性の高まりを背景に外需が弱まっており、ベトナムの輸出伸びは12ヶ月ぶりの低水準となる前年比4.8%に鈍化した。
10月の鉱工業生産と小売売上高は内・外需両方の減速を受け、緩やかなものになっている。鉱工業生産指数は前年同月比6.3%増で、EUと米国、中国の成長鈍化による外需の弱さが重要な要因である可能性が高い。
製造業の活動を示す購買担当者景気指数は9月の52.5から50.6に低下し、2021年10月以来の低い数値となった。
10月の小売売上高は前年同月比17.1%増となったが、前月の32.3%増から減速した。これはインフレ率上昇の中で今年最初の3四半期に経験した消費の反発が薄れており、内需の弱体化を反映していると考えられる。
インフレを測る消費者物価指数(CPI)はCPIバスケットの5分の1を占める食品価格の上昇が早まったことにより、9月の3.9%から10月には4.3%に上昇した。CPIが中央銀行の目標である4%を超えたのは2020年4月以来初めてである。
国内の金融環境が引き締まる中で10月の信用伸びは推定で前年同月比16.5%に鈍化した。
FDIの支出は電力とガス、水道への投資急増によって前年同期比8.1%増となっている。
また、ベトナムドンは年初来で対米ドル相場が9.1%下落した。
世界銀行はベトナム経済に関して、外需の減速と世界的な金融引き締めが為替相場に影響を与えており、インフレ率上昇と国内金融情勢引き締めが今後数ヶ月間で内需に影響を与える可能性があるとしている。
米FRBによる利上げ継続が予想される中でベトナムの金融当局は、基準レートの下落ペースの速さを含め、為替レートの一層の柔軟性を認めることを検討する可能性がある。
より速い為替レートの下落がインフレ率の上昇につながり、インフレ期待が高まった場合、基準金利の継続的な使用で補完することができるという。
世界銀行は2022年のベトナムGDP成長率を7.2%とし、アジア太平洋地域の主要国の中で最も高いとしている。また、ベトナム政府は8%の成長を見込んでいる。
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