成長するベトナムの物流、今後の課題

2022年11月29日(火)15時13分 公開
成長するベトナムの物流、今後の課題

<写真:VnExpress>

 

ベトナムはアジア地域の物流ハブとなる可能性を秘めているが、政策やインフラ、人材における問題が解決されずに残っている。

 

物流会社ITL社のチャン・トゥアン・アイン代表は、ベトナムが中国以外の新たな製造拠点になりつつあり、航空貨物輸送においても徐々に大きなシェアを獲得していく可能性が高いと予想する。

 

商工省によると、ベトナムの物流産業は400〜420億ドル(約5兆5454億〜5兆8227億円)と推定され、2桁の成長を記録している。「Agility Emerging Markets Logistics Index 2022」では同国は50市場中11位であるが、国際的な物流機会では中国とインド、メキシコに次いで4位であった。

 

ベトナムには9月末時点で30社の外資系航空会社と4社の国内航空会社があり、16の国と地域に68の路線を運航している。また、11月時点の旅客機と貨物機の比率はホーチミンで60対40、ハノイで30対70となっている。

 

現在、ハノイ市とホーチミン市の空港はインドやミャンマー、日本、中国からの貨物がアメリカやヨーロッパに向かう際のハブ空港として利用されている。

 

航空貨物ブランドはベトナムに興味を持っており、サードパーティロジスティクス会社は香港やシンガポールではなく、今後3年で同国に集約ハブを作り始める可能性も高いという。

 

空港の過負荷と駐車場不足が解決しなければならない問題であり、J. ボーイング社の東南アジア・インド地区のJ.マイケル・カーソン営業部長によると、ベトナムは貨物輸送を旅客便のネットワークに依存することはできないため、貨物専用航空会社の誘致政策が必要である。

 

ベトナムは環太平洋パートナーシップ(CPTPP)加盟国の中で最も発展している東南アジアの航空市場であるが、キャパシティに課題があり、2041年までに2800機の貨物機が必要になるという。

 

また、同国では海港輸送が注目されており、海事管理局輸送・海事サービス部のヴォー・ズイ・タン部長によると、2030年までにベトナムの港を通過する貨物量は年間11億~14億トンと倍増し、国内外の輸送会社にとって大きな機会となる。

 

現在、ベトナム国内には500隻の船会社があるが、その殆どは海外へ輸送する能力が欠如しており、ベトナム政府報告書である「ベトナム物流2022」によると、同国の輸送経路は依然として道路が主流であり、主要な港や鉄道駅への投資が必要である。

 

また、人材に関する課題も深刻な状態にあり、ホーチミン市の物流事業者の53%以上が物流に関する教育を受けたスタッフが不足しており、同市開発研究所の調査によると、30%のスタッフを採用時に再教育しなければならないという。

 

中央経済委員会のチャン・トゥアン・アイン委員長はこうした状況に対して、「要求を達成するための能力に大きなギャップがある」と述べている。

 

環境への配慮もベトナム企業が注意を払うべき基準のひとつである。ベトナム物流人材開発協会の調査によると、50%以上のトラックが空荷で帰ってきており、非効率で環境への悪影響を増大させている。

 

 

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