ハイフォン市に肥料製造廃棄物約450万トンが山積み、処理進まず

2023年03月08日(水)09時30分 公開
ハイフォン市に肥料製造廃棄物約450万トンが山積み、処理進まず

<写真:VnExpress>

 

ベトナム北部のハイフォン市で、肥料生産を行うDAP Dinh Vu工場が廃棄したリン酸石膏445万トンの処理が進まず、今後の処理方法が課題となっている。

 

DAP-VINACHEM社が所有・運営する同工場は、同市のDinh Vu工業団地に位置し、64%が国営でベトナム化学グループが経営元である。

 

同工場では2009年にリンを多く含む鉱物であるアパタイトを加工し、DAP(リン酸二アンモニウム)を製造するDAP肥料の生産を開始した。

 

同工場は2009年〜2022年にかけ、DAP肥料生産の副産物であるリン酸石膏(通称:石膏または硫酸カルシウム)を470万トン以上廃棄している。

 

DAP-VINACHEM社は2010年に建設系エンジニアリング会社のSong Da Cuong社とリン酸石膏をセメント原料として処理する契約を締結したが、昨年末の時点でセメント原料として処理されたのは32万トンに過ぎない。

 

同工場には高さ20m以上、面積20ha以上のリン酸石膏が445万トンあり、環境に深刻な脅威を与えている。

 

ハイフォン市建設局によると、DAP Dinh Vu工場が現状の肥料生産量を維持し続けた場合、リン酸石膏の処理に12年の歳月を要する可能性があるという。

 

しかし、そのシナリオはSong Da Cuong社が限界まで稼働し、年間70万トンのリン酸石膏を処理した場合にのみ実現可能であり、現時点で同社にその能力はない。

 

Dinh Vu工業団地の管理会社代表によると、ハイフォン市は2025年までにリン酸石膏の保管場所を解消する計画を持っており、問題の対処に向けて高額な投資を行うことを要望しているという。

 

また、リン酸石膏保管地に隣接するDEEP C工業団地の代表者は3日に開催されたカンファレンスで、山積みにされたリン酸石膏が多くの投資家に支障をきたしていることを明らかにした。

 

同代表は、リン酸石膏保管地を処理するための解決策が「非常に小規模」で実施されていることを指摘し、担当者に対して効果的な方法を採るように促している。

 

建設省科学技術環境局のヴー・ゴック・アイン局長によると、リン酸石膏を加工して道路の基礎にするのが最も簡単で早い埋立地の処理方法であるが、実現には研究と試験に時間を要する。

 

また、ベトナムで道路プロジェクトの建築材料としてリン酸石膏を使用するためには、技術指導と関係機関のライセンスが必要となる。

 

建設省のデータによると、ベトナム国内のDAP肥料工場で廃棄されたリン酸石膏は1270万トンで、そのうち860万トンは北部ラオカイ省の2工場で生産されている。

 

 

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