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ベトナムのグローバルミニマム税適用、外資企業が利益性低減を懸念
<写真:VnExpress>
ベトナム国内の主要外資系企業は、同国におけるグローバルミニマム課税導入の検討を受け、投資収益性の低下を懸念している。
計画投資省によると、外国人投資家は今年1月〜4月20日までの期間で、新規プロジェクトの登録資本と稼働中プロジェクトの追加資本、現地企業の株式購入によって合計約89億ドル(約209兆165億円)を投資した。
外国人投資家の総投資額は操業中プロジェクトへの追加資本減少等により前年同期より17.9%減少したが、新規FDIと現地企業の株式購入は増加している。
外資の払込資本も1.2%減の58億5000万ドル(約7812億300万円)であった。
最も多く投資を誘致したのは加工・製造業で、総額は4ヶ月間で登録されたFDI資本の57.8%を占める51億ドル(約6811億4000万円)以上に達したが、前年同期と比較すると17%の減少が見られた。
不動産取引のFDIは65.5%減の総額9億7200万ドル(約1298億2900万円)、卸売・小売業のFDIは44.3%減の3億7200万ドル(約496億8800万円)に留まった。
新規プロジェクトでは資本金100万ドル(約1億3400万円)未満の案件が全体の70%近くを占め、投資総額は登録資本全体のわずか2.2%に留まっている。
同省によると、この状況はグローバルミニマム課税の悪影響を懸念する大企業がベトナムへの投資に慎重になっていることを示しているという。
グローバルミニマム課税は2021年6月にG7加盟国によって合意された税制であるが、ベトナムのアナリストらはこの追加課税が同国の優遇税制に魅力を感じる海外直接投資家の足枷になることを懸念している。
この税制は過去4年間のうち少なくとも2年間の総収入が7億5000万ユーロ(約1100億2500万円)以上である国籍企業に適用される予定で、外国に投資する企業はその国から少なくとも15%の課税を受けることになる。
英国や日本、韓国、EUなどでは2024年からグローバルミニマム課税が提供される予定であり、ベトナムでも同税制の導入が検討されている。
財務省の統計によると、ベトナムには同税制の対象となる親会社を持つ外資系企業が1015社あり、2024年に同税制が導入された場合には70社以上が影響を受ける可能性がある。
合計登録資本がベトナムのFDI全体の30%近くを占めるサムスン、インテル、LG、ボッシュ、シャープ、パナソニック、フォックスコン、ペガトロンといった外資系企業はいずれも同税制の影響を受ける可能性が高く、これらの企業はベトナムに支援政策を講じるように要望している。
ファム・ミン・チン首相は22日、ベトナムでグローバルミニマム課税が提供された場合、政府は投資家や新規プロジェクトの支援に向けたソリューションとサポートを提供する可能性があることを明らかにした。
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