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ビンファスト、SPACとの合併で米国上場へ
<写真:Tuoi Tre>
ベトナムの電気自動車(EV)メーカー「ビンファスト(VinFast)」は12日、SPAC(特別目的買収会社)の「ブラック・スペード・アクイジション(BSAQ)」との合併により米国市場への株式上場を目指すことを発表した。
ビンファストは先月、親会社である「ビングループ」と同グループのファム・ニャット・ブオン会長から新たに25億ドル(約3400億円)の資金提供を受けたことを発表していた。
同社とBSAQの共同声明によると、BSAQの株主が同社株式の現金への償還を選択しないことを前提に、合併後の企業価値は約270億ドル(約3兆6700億円)、株式価値は230億ドル(約3兆1300億円)になる。
合併は2023年後半に完了する予定であり、ビンファストの既存株主がBSAQ株式の約99%を保有することになるという。
2017年に設立されたビンファストは2023年3月からカリフォルニア州でのEV販売を開始ししており、同社は2022年12月にティッカーシンボル「VFS」でナスダック上場に向けて米国での新規株式公開を申請し、約600億ドル(約8兆1600億円)の評価額を目指していた。
同社によると、同社は全世界で約5万5000台の受注があり、年間30万台のEV生産能力を有している。
BSAQは香港を拠点とし、マカオとフィリピンでカジノを運営する「メルコリゾーツ&エンターテイメント社」のローレンス・ホー代表の個人投資部門である「ブラック・スペード・キャピタル」によって設立された企業である。
同社のサイトによると2年以内にエンターテインメント事業を行う企業と合併する計画で、2021年7月にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している。
ビンファストのグローバル最高経営責任者であるレ・ティ・トゥ・トゥイ氏によると、BSAQとのパートナーシップと米国での上場は、同社のグローバル展開にとって最適な資金調達手段であるという。
ビンファストがSPACを通じて上場する動きはマイクロヴァストやファラデー・フューチャー、ニコラ、ルシード・モータースといったEV企業に続くものである。
かつて熱狂的であったSPAC市場は米国証券取引委員会の厳しい監視により冷めつつあるが、自動車技術系企業を中心に株式市場への迅速な参入ルートと考えられており、テスラのような株価評価を求める投資家に人気を集めている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。