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ベトナムの不動産セクター、債券のデフォルトが多発:ADB
<写真:VnExpress>
アジア開発銀行(ADB)の東アジア債券市場に関する最新レポートによると、不動産セクターを中心としたベトナムの社債市場でデフォルトが多発している。
同国の不動産株指数は1月以降に約50%下落した。
ベトナム国家銀行(SBV)は経済成長を支援し、特に不動産セクターの金融安定を促進するために金融スタンスを緩和したため、国債利回りは3月1日〜6月2日の間に全ての満期で低下している。
データプロバイダーFiinRatingsは4月上旬に、43の不動産事業者が利子と債券債務の支払いを遅延し、債券総額が78兆9000億ドン(約4758億1000万円)に上ったことを明らかにした。
不動産セクターの不良債権比率は20%を超え、エネルギーセクターに次いで2番目に高い数値となった。また、不動産セクターの債券残高が最も多く、全体の33.8%を占めた。
同レポートでは東アジア地域のインフレ圧力緩和や米国の金融引き締め緩和を背景に、東アジア市場の債券利回りが3月〜5月に掛けて低下したことを明らかにしている。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融スタンスや主要先進国の銀行部門における潜在的なリスクに対する懸念があるが、域内の金融情勢は比較的安定していた。
3月1日〜6月2日に掛けて株式市場は下落し、域内通貨は対米ドルでやや弱含み、リスクプレミアムは縮小した。
ADBチーフエコノミストのアルバート・パーク氏によると、大半の地域の中央銀行は利上げを減速しており、欧米の銀行セクターの混乱が地域の金融市場に与える影響は今のところ限定的である。
しかし、米国では金融の安定とインフレに対する懸念が、連邦準備制度理事会(FRB)の金融スタンスに不透明感をもたらしており、域内の金融情勢は引き続きこの不確実性の影響を受ける可能性があるという。
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