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外国人消費の誘致が目的、午前2時までのナイトライフ体験を提案
<写真:VnExpress>
ベトナムでは観光専門家が、外国人観光客に同国内での消費額を増加させることを目的として、主要都市にエンターテイメントセンターを建設し、午前2時までのナイトライフ体験の提供が可能となる様に政府へ提案している。
メコンデルタの観光開発コンサルタントのファン・ディン・フエ氏によると、午後8時〜午前2時まではパーティーのピークタイムであり、多くの人が食事や娯楽活動に金銭を費やす傾向が強い。
しかし、ベトナムでは主要都市における大半の施設や飲食店が午後10時には閉店する。
タイのバンコクやパタヤでは毎晩アートパフォーマンスが行われ、ショッピングストリートが賑わい、娯楽施設は午前4時まで営業している。シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズは15haの敷地に5つ星ホテルと博物館、カジノ、フードコート、ショッピングエリアがあり、観光客を誘致していることで有名である。
ベトナムもタイやシンガポールに倣い、主要観光拠点にナイトライフ・エンターテイメントと組み合わせたエンターテイメント・センターを建設することが、観光課題への必要な解決策であるという。
持続可能な旅行ソリューション会社MQLのミケル・アンヘル代表によると、観光客の要望を理解し、必要とするものを提供することが、観光収入を増加させる上で非常に重要であり、ベトナムは観光客が必要とする旅行体験を提供するため、観光客の行動を調査し始めるべきである。
3月初旬に開催された観光開発に関する全国オンライン会議で、グエン・ヴァン・フン文化・スポーツ・観光相は、観光客の支出が期待に達していない理由の1つが、観光商品が現在の世界的なトレンドに追いついていないためであると認めている。
同大臣によると、ベトナムでは大半の娯楽サービスがまだ魅力的ではなく、投資も不足しており、国内観光客向けの域を脱していないという。
世界水準のアミューズメントやエンターテイメントの拠点がないことは観光産業の「大きな穴」であり、典型的な例として、ハノイ市には独自で競争力のある魅力的な観光商品、大規模な娯楽センターや週末リゾートが存在しない。
ロイヤルメルボルン工科大学で観光・ホスピタリティの副シニア・プログラム・マネージャーを務めるニューノ・F・リベイロ氏は、同国が観光収入を増加させるために、いくつかの観光名所の入場料値上げを検討するべきであると指摘する。
ベトナムにはユネスコ遺産や歴史的建造物、印象的な博物館があり、入場料値上げは観光収入を向上させる理想的な方法かもしれない。同国は長い間、国際的な旅行雑誌によって世界で最も安い旅行先の1つに挙げられており、多くの観光客が大きな出費を予定していない。
パンデミック発生前年の2019年には過去最高となる外国人観光客1800万人が訪れたが、消費額は少ないものであった。ベトナム国家観光局によると、観光客の平均消費額は1泊7.5ドル(約1050円)で、シンガポールでの消費額の7.5%、タイでの消費額の25%に過ぎない。
過去数年にわたってハノイ市とホーチミン市、フエ市、ダナン市では、夜間パフォーマンスの開催や歩行者天国、フードコートの新設によって、夜間経済の活性化に努めてきた。
ダナン市当局は4月、同市リエンチエウ区ナムオー漁村近くにフードストリートを開設し、グーハンソン区アントゥオンではナイトライフを多様化させた。フエ市は昨年3月、ハイバーチュン通りに新たな歩行者天国を開設した。
ホーチミン市は1月に繁華街の亀湖付近に新しい歩行者天国を開設し、昨年12月にはグエントゥオンヒエン通りにフードハブを開設している。ハノイ市もチュックバック半島に2つ目のナイトフードゾーンを建設し、夜間の観光客誘致に注力している。
しかし、観光関係者によると、ベトナム主要都市でのナイトライフ体験は、周辺諸国で見慣れたものであり、目新しいものは存在しない。
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