ホーチミンのバラバラ殺人、被告に死刑判決

＜写真：tienphong.vn＞

9日にホーチミン市人民裁判所において、女性を刺殺するとともに強姦し、遺体を切断して遺棄した男に死刑が言い渡された。

被告はグエン・ダン・コア（25）で、同被告は弁護士を拒否するとともに、殺害した女性の家族に謝罪し、罪を認め「生きるチャンスをください」と訴えた。

朝早くから法廷に連行されたコア被告は、黙々としながら常に顔を伏せ、傍聴人の視線を避けた。

取り調べに対し、コア被告は起訴状の全ての行為を認めた。

コア被告はトゥードゥック市タンニョンフーB街区クアンチュン通りの下宿に住み、被害者のヴィーさんは部屋の向かいに住む隣人であった。

コア被告はテト（旧正月）の直前に金銭がなくなり、ヴィーさんが年末に多くの賞与を受け取っていると考え、財産を奪う意図を持ったという。

2月8日午後、ヴィーさんが1人で故郷に帰る準備をしているのを知っていたため、コア被告は「家具の移動を手伝ってほしい」とヴィーさんを部屋に誘い入れた。

コア被告はドアを閉め、ナイフを取り出し「声を出すな、金だけ出せ」と脅したが、ヴィーさんが抵抗したため、コア被告は恐怖を感じてヴィーさんを殺害した。

コア被告はヴィーさんを刺した後、ブレスレット、3つの指輪、イヤリング、金のネックレス、iPhone 12、現金300万ドン（約1万8900円）を奪った。

その後、コア被告はヴィーさんを強姦した。

コア被告は犯行を隠すため、雑貨店や市場でテープやビニール袋を購入し、遺体を分解してバイクで運び、トゥードゥック市タンニョンフーA街区のハイテクパーク周辺の運河に遺棄した。

コア被告はヴィーさんの財産の一部を売却し、1900万ドン（約11万9700円）を得たが、その一部をゲームで賭博に使い、友人の家でテトを過ごすためにバスチケットを購入したという。

また、コア被告は交際相手に600万ドン（約3万7800円）を渡したが、自身の行為については何も話さなかった。

その後、コア被告は交際相手の家で警察に逮捕された。

審理において、検察官と裁判官は、コア被告の動機について何度も質問したが、同被告は「テト直前で金銭が必要だった。何も考えられなかった」としか答えなかった。

被害者の家族であるヴィーさんの姉は裁判所に対し、葬儀費用、精神的損害、両親の扶養費として5億ドン（約315万円）の賠償を求めた。

コア被告は賠償に同意したが、自身の家族も貧しいため、賠償能力がないと返答し、最後に発言の機会を与えられた際には「被害者の家族に多大な悲しみと損失を与えた。深く反省している。私に生きる道を与えてほしい」と陳述した。

判決でコア被告は殺人罪で死刑、強盗罪で9年、強姦罪で6年の懲役が言い渡され、死刑に処されることとなった。

裁判官はコア被告が素直に供述し、反省の意を示していることを認めつつも、多くの深刻な罪で社会に不安を与えたため、最も厳しい刑罰が必要であると結論づけた。

ヴィーさんの姉であるフエさんによると、テトには家族全員が集まり、末の妹であるヴィーさんの帰りを待っていた。

しかし、ヴィーさんが「今から帰る」とメッセージを送った後に連絡が取れなくなり、心配した家族が警察に通報し、ホーチミン市の下宿先を訪れた。

部屋のドアを壊して中に入ると、バイクや荷物がそのまま置かれており、帰郷の準備が整っていたが、ヴィーさんの姿はなかった。

警察が下宿先とその周辺の防犯カメラを確認したところ、ヴィーさんが部屋に入る姿だけが映っており、出てくる姿はなかった。

フエさんは「その瞬間から家族は炎の上に座っているような気持ちで、ヴィーが無事であることを祈り続けた。しかし、家族に奇跡は訪れなかった」と語っている。

その後、家族は警察から女性の遺体が発見されたと知らされ、身元確認に呼ばれた。

ヴィーさんの父が最初に確認に入り、遺体の一部を見た際に「これは私の娘ではない」と叫び声を上げたという。

次にフエさんが確認すると、遺体はやはりヴィーさんのもので、家族全員が泣き崩れた。フエさんは「この痛みを言葉で表現することはできない」と語った。

ヴィーさんの年老いた父親は涙を流しながら「コアの家族が訪れて言葉をかけてくるかと思ったが、何もなかった。最高刑罰が下されたが、私たちの痛みは無くならない」と話した。

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