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相次ぐフードデリバリーアプリの撤退、業界の厳しい実態
<写真:tuoitre.vn>
GojekとBaeminはベトナム市場でユーザーを引きつけるために数百万ドルを割引やプロモーションに投じたが、両社ともに市場からの撤退を決定した。
東南アジアで最も活気のある市場の1つであるベトナムでの撤退は、フードデリバリー業界の厳しさを物語っている。
Momentum Worksの報告によると、ベトナムのオンラインフードデリバリー市場は2024年も引き続き成長が予測され、2023年の14億ドル(約2000億3200万円)を超える見通しである。
しかし、この「金鉱」を成功裏に開拓することは決して容易ではない。
フードデリバリー業界は、テクノロジー企業間の競争が激化しており、各アプリはユーザー獲得のために大規模な割引やプロモーションを展開している。
この競争は市場に活気をもたらしたが、財務的なリスクも高まった。
インドネシアと韓国からのユニコーン企業であるGojekとBaeminも、この競争の犠牲となったとされる。
Gojekはベトナムで大規模な技術投資と広告キャンペーンを展開したが、運営維持にかかる巨額のコストをカバーできず、9月16日をもって市場から撤退する。
同様にBaeminも大規模なプロモーションに数百億ドンを投じたが、巨額の損失を被り、年初に撤退を決めた。
専門家によると、フードデリバリーアプリは価格競争の厳しさに直面している。
消費者が5万ドン(約293円)の食事に対して送料や手数料を加えると、最終的な支払い額が7万ドンから8万ドン(約410〜469円)に達し、利用をためらうケースが多い。
このため、アプリは割引やプロモーションに頼らざるを得なくなるが、それが持続可能な戦略とは言えない。
GojekとBaeminの撤退により、BeFoodやLoshipといった国内企業には大きなチャンスが生まれている。
BeFoodはまだGrabFoodやShopeeFoodに対して優位性を持っていないが、強力な財政的支援を受けており、フードデリバリーに加えて物流やオンラインショッピングなど他の分野にも進出している。
一方、Loshipはベトナム生まれのプラットフォームとして、フードデリバリーや小売業において競争力を高めつつある。
しかし、GojekやBaeminが残した空白を埋めることは簡単ではない。BeFoodやLoshipは、財務面や技術、複雑なエコシステムの管理といった大きな課題に直面している。
一方で、消費者側からはプロモーションの減少やサービスの質の低下への懸念が広がっているという。
特にGrabやShopeeFoodが競争の減少を背景に価格を引き上げ、サービスの質が低下する可能性が指摘されている。
フードデリバリーの際に発生する複数の手数料や、配達員が受け取る報酬の少なさも、ユーザーと労働者の双方にとって問題となっている。
今後の展望としてフードデリバリー市場においては、顧客に信頼されるサービスを提供しつつ、持続可能なビジネスモデルを構築することが鍵となる。
ベトナム市場は依然として成長の余地が大きく、GojekやBaeminの撤退は市場の終焉を意味するわけではない。
LoshipやBeFoodなどの国内企業が、物流や買い物代行、薬の配達といった新たなサービスを展開し、市場での競争力を高める可能性もある。
長期的な成功を収めるためには、単なる割引競争に頼るのではなく、顧客に実質的な価値を提供し、信頼を築くことが不可欠である。
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