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中国発ECの台頭、製造業者が生存競争に直面
<写真:tuoitre-vn>
ベトナムでは中小企業(SME)を中心とする製造業者が、中国の電子商取引(EC)プラットフォームであるTaobao、Temu、Sheinの急成長によって深刻な危機に直面した状態にある。
ホーチミン市ゴム・プラスチック協会の会長であるグエン・クオック・アイン氏は、この状況を「単なる市場の淘汰ではなく、国内製造業の壊滅」と評している。
アイン氏によると、特に靴や消費財分野において、中国のECプラットフォームがベトナム国内の製造業を混乱に陥れている。
ベトナムの消費者は中国のプラットフォームを通じて直接商品を注文し、数日以内には商品を受け取ることが可能である。
こうした状況が国内メーカーにとって深刻な競争を引き起こしており、特にゴム・プラスチック業界の中小企業が価格競争に押されている。
国内製造のサンダルが30万〜40万ドン(約1796〜2395円)で販売される中、中国からの輸入品は20〜30%安価な価格で購入可能である。
中国のECプラットフォームは安価な商品に加え、配送の利便性を武器にしており、国内企業はこれに対応するのが困難である。
さらに、多くの国内企業は中国から製品を輸入し、自社ブランドとして再販する戦略を採っているが、それさえも価格と供給力で中国製品に後れを取っている。
アイン氏によると、TaobaoやTemu、Sheinはベトナム市場に商品を販売しても税金を支払う必要がない上に、中国政府からの強力な物流支援を受けているという。
対照的に、ベトナムの中小企業は輸入税や高い生産コストといった障壁に直面しており、公平な競争が不可能である。
アイン氏は、これは単なる競争の問題ではなく、国内市場と産業の保護という経済的な課題であり、政府の介入が必要であると強調した。
ベトナムの製造業者は不公平な競争環境に対処するため、中国製品がECプラットフォームで販売される際には輸入税を課すように政府へ求めている。
現在、国内製品が伝統的な販売チャネルで課される税負担により、税のかからないEC経由の中国製品と競争することは限りなく不可能である。
対策が講じられない限り、中国からの「電子商取引の嵐」は今後1〜2年のうちにベトナムの製造業を永久に変えてしまう可能性がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。