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抗生物質耐性に関連する死者、ベトナムでは年間約7万人
<写真:tuoitre.vn>
ベトナムでは毎年約7万人が抗生物質耐性(AMR)に関連した死を迎えていることが明らかになった。
世界保健機関(WHO)の推計によると、2020年から2023年にかけての死者数はおよそ27万人に達した。
この深刻な状況を受け、22日にハノイ市で開催された記者会見で、AMR対策を推進するコミュニティプログラムの発足が発表された。
本プログラムは製薬企業Sandozがホーチミン市薬剤師協会やその他の医療機関と連携して実施するもので、抗生物質の適正使用を促進することを目的としている。
2024年から2028年にかけての5年間にわたり、病院、電子情報媒体、地域社会を通じてAMRに関する認識を向上させるためのキャンペーンが展開される予定である。
ベトナムにおける抗生物質耐性率の高さは、抗生物質の過剰使用や医師の処方箋なしでの販売、不適切な使用指導といった要因に起因している。
WHOの調査によれば、患者やその家族が自己判断で抗生物質を使用するケースが多く見受けられる。
これにより、一般的な感染症に対しても抗生物質が効かない事態を引き起こし、感染症治療が困難になっている。
専門家はこの問題が医療費の増加や死亡率の上昇だけではなく、手術やがん治療といった医学の進歩にも深刻な影響を及ぼすと警告した。
さらに、抗生物質が環境に放出されることで水資源が汚染され、環境全体や生態系、ひいては公衆衛生に悪影響を及ぼしている。
特に地方や低所得層において、医療格差が拡大する懸念もある。
2024年には抗生物質耐性問題に関する意識向上を目的とした大規模な教育活動が計画されている。
加えて、抗生物質耐性に関する情報をわかりやすく提供するウェブサイトが開設される予定である。
このサイトでは専門的な解説記事やインフォグラフィックス、動画コンテンツなどを通じて、抗生物質の責任ある使用の重要性を訴える。
抗生物質耐性問題はベトナムだけではなく、世界的にも大きな課題となっている。国際社会と連携しつつ、持続可能な解決策を模索することが急務である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。