おすすめのプロモーション
ベトナムの製造業、24年末に成長鈍化の兆候
<写真:tapchitaichinh.vn>
2024年のベトナム製造業は年間を通じて回復基調を見せたが、年末にかけて成長の勢いが鈍化する兆候が現れた。
一部の産業では需要の低迷や市場環境の悪化が続いており、課題が依然として残る状況である。
ベトナム統計総局のデータによれば、2024年の工業生産指数(IIP)は前年比8.4%増加し、これは2020年以来の最高水準であった。
特に繊維、ゴム、プラスチック、木材、電子製品などの主要産業は高い成長率を示した。
しかし、12月の購買担当者指数(PMI)は49.8ポイントと3カ月ぶりに50を下回り、製造業が再び収縮局面に入ったことが示された。
S&Pグローバルの報告によると、12月の生産量と新規受注は増加したが、その伸び率は直近3カ月で最も低調であった。
国内市場の需要は部分的に回復したが、輸出向け受注は2カ月連続で減少した。特にアメリカや中国向け輸出が停滞していることが指摘された。
企業の調査では、約30%の加工・製造業者が国際需要の低迷を最大の課題として挙げ、国内市場でも需要不足(53%)や競争激化(51%)が問題視された。
また、コスト高や複雑な法的手続きが障壁となっており、特に中小企業では環境基準やデジタル化への対応が進まないことで苦境が続いている。
BIDV銀行のチーフエコノミストであるカン・ヴァン・ルック氏によると、労働力不足や生産性の低さが成長を阻む要因である。
また、フルブライト大学のグエン・スアン・タイン博士は、2025年の輸出成長はさらなる減速が予測されるとして、過度な期待は禁物であると警告している。
一方で、2025年に向けて前向きな見方もある。S&Pグローバルの調査によると、新規受注の増加や経済条件の改善を背景に、多くの企業が生産拡大を計画している。
ホーチミン市では加工・製造業の74.5%が、2025年初頭の事業環境が改善すると予測している。
しかし、世界的な地政学リスクやアメリカの政策変更など、経済に影響を及ぼす不確実性は依然として大きい。
統計総局の調査では、企業の42%が融資金利の引き下げを望み、国内需要を喚起する政策や行政手続きのさらなる簡素化を求める声が高まっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。