おすすめのプロモーション
ベトナムの行政改革、公安省権限拡大と地方組織再編

<写真:vtv.vn>
ベトナムでは3月1日から新たな政策が施行され、公安省の業務範囲の拡大と地方行政の再編が進められる。
これにより郡レベルの公安機関が廃止され、運転免許証の発行や司法記録証明書の管理が公安省に移管された。
また、政府の権限強化と地方分権を明確化する新法も施行されている。
政令「02/2025」の施行により、従来三層構造であった地方公安組織は、省レベルと市町村レベルの二層体制へと再編され、全国で694の郡公安機関と約6000の直属部門が廃止された。
公安省は2008年以来、3度にわたる組織改革を進めており、総局の廃止や各レベルの組織統廃合を実施してきた。
今回の再編もその一環であり、デジタル化や業務効率化を図るとともに、治安維持の強化を目的としている。
市町村レベルの公安機関がすでに地域の治安維持や行政手続きに対応可能な体制を確立しており、郡公安の廃止により行政の合理化と業務の効率向上が期待されるという。
また、3月1日から運転免許証の発行・更新手続きが公安省の管轄となった。
市民は市町村の公安機関または省・市レベルの交通警察部門、もしくは電子システムを通じた手続きが可能である。
司法記録証明書(犯罪経歴証明書)の管理業務も公安省が担当することとなっている。
公安省はデジタル化推進の一環として、証明書発行手続きの簡素化を図る方針を示しており、今後はオンライン申請や即時発行サービスの導入も検討されている。
また、改正「政府組織法」により、政府と地方行政の役割が明確化された。
新法では政府が国家行政の最高機関としての機能を強化し、緊急時には首相が特別措置を講じる権限を持つことが明記された。
具体的には自然災害や感染症の流行、国家安全保障に関わる事態が発生した場合、首相は通常の法規制を超えた措置を決定可能である。
「地方が決定し、地方が実行し、地方が責任を負う」という方針のもと、地方への権限委譲も進められる。これにより各地域の実情に応じた行政運営が可能となる。
今回の一連の制度改革により公安省の役割が拡大するとともに、政府の統治体制がより明確化された。
特に地方公安機関の統廃合や行政手続きのデジタル化は、行政効率の向上と市民サービスの改善につながると見られる。
一方で、郡公安の廃止による影響や新たな手続きの運用に関する課題も懸念されており、政府は今後も制度の適用状況を検証しながら必要な調整を行う方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。