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ベトナムの大手航空4社、空港公社に約5兆ドンの未払い

<写真:kinhtemoitruong.vn>
ベトナムの主要航空会社であるバンブー航空とベトナム航空、ベトジェット、パシフィック航空の4社が、ベトナム空港公社(ACV)に対して総額約5兆ドン(約290億9000万円)の未払い債務を抱えていることが明らかになった。
これらは航空券販売時に乗客から徴収した空港利用料や保安手数料などであり、ACVが各航空会社に代理徴収を委託していたが、期限内に納付されていない状況である。
ベトナム財務省の監査局が発表した監査結果によれば、2023年末時点でACVの財務・会計管理には多くの課題が指摘された。
特に未回収債権の額が大きく、一部の金融投資では損失が発生しており、資金回収のリスクが高まっている。
ACVに対する国内航空4社の未払い債務の内訳は、バンブーエアウェイズが最大の2兆990億ドン(約121億9000万円)、次いでベトジェットが1兆2338億ドン(約71億8000万円)、ベトナム航空が1兆2315億ドン(約71億6000万円)、パシフィック航空が8393億ドン(約48億8000万円)である。
これらの債務はACVが航空会社に委託した乗客サービス料や空港保安料の未納分に相当し、うち3兆1900億ドン(約185億4000万円)は支払期限を超過している。
また、離着陸料の収支差額として納付義務のある1兆3799億ドン(約80億2000万円)も期限内に支払われていない。
監査報告によると、2023年を通じて航空各社はACVに16兆6800億ドン(約968億9000万円)を支払っているが、依然として高額の未払い債務が残っている。
特に、バンブー航空の未回収債権は2兆9950億ドン(約173億9000万円)に上り、ACVの未収債権全体の98.4%を占める。
航空各社の債務が増加した要因について、ACVは新型コロナウイルス感染症の影響を挙げている。
パンデミックにより国内外の航空路線が大幅に減便され、各社の収益と資金繰りが悪化し、債務返済が困難になったとしている。
なお、2020年以前は航空各社は契約通りに支払いを行い、未払い債務や不良債権はほぼ発生していなかったという。
監査ではACVの金融投資におけるリスクも指摘されている。
2023年12月31日時点で、ACVは銀行に25兆7900億ドン(約1497億円)を預金しているほか、2兆4350億ドン(約141億5000万円)を長期金融投資に充て、2023年には3397億ドン(約19億7000万円)の配当収入を得た。
しかし、カムラン国際空港ターミナル株式会社と南部航空貿易株式会社への675億ドン(約3億9000万円)の投資は、両社の業績悪化により資本回収が困難となっている。
ACVはこれらの投資について、94%にあたる635億ドン(約3億6000万円)を引当金として計上している。
さらに、監査ではACVの2023年度の会計処理において222億ドン(約1億2900万円)の利益計上漏れがあり、追加で約60億ドン(約3500万円)の税金納付が求められていることも明らかになった。
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