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ベトナムでは肝炎に注意、B・C型肝炎の感染者は数百万人

<写真:baodautu.vn>
ベトナムではB型およびC型肝炎の感染者が数百万人に上るとされているが、その大多数が自身の感染に気付かず、適切な治療を受けていない状況にある。
これにより肝硬変や肝がんへの進行リスクが深刻化している。
20日にハノイ市で開催された感染症に関する学術会議において、ホーチミン市医学会のブイ・フウ・ホアン副会長がこの現状を報告した。
ホアン副会長によれば、ベトナム国内には推定760万人のB型肝炎ウイルス感染者が存在している。
しかし、診断を受けたのは約160万人、治療を受けているのはわずか約4万5000人にとどまる。
また、C型肝炎に関しても感染者は約100万人と推定されるが、診断されたのは約6万人に過ぎず、実際に治療を受けている人はごくわずかである。
ベトナムは、B型およびC型肝炎の感染者数が世界で最も多い国の1つとされており、ワクチン未接種または免疫を持たない国民は約4000万人に上ると推計されている。
特に深刻なのは、肝がんとの関連性である。国際がん研究機関のデータによれば、ベトナムでは毎年2万3000人以上が肝がんで死亡している。
その約80%がB型またはC型肝炎ウイルスに起因しているという。肝がんは予後が極めて悪く、発見時にはすでに進行しており、治療が困難となっているケースが多い。
また、2024年に実施された調査では、66%の国民がB型およびC型肝炎の検査を重要と認識しておらず、自身は健康であると考えていることが明らかとなった。
加えて、保健省が過去に行った調査でも、52%以上の国民が肝炎ウイルスについての基本的な知識を持っていないと回答している。
診断体制の整備も課題である。通常のHBsAg検査だけでは感染の有無を正確に判定することが難しく、抗体検査や他の精密検査との併用が必要とされている。
しかし、こうした検査は全国的に普及していない。
治療費も高額で、B型肝炎の治療には月8万〜130万ドン(約472〜7670円)、C型肝炎では12週間で約2000万ドン(約11万8000円)が必要であり、保険の適用も限定的である。
さらに、妊婦を対象としたB型肝炎ウイルス(HBV)のスクリーニングも不十分で、全国の実施率は60〜70%にとどまっている。
ベトナム政府は2030年までに肝炎の根絶を目指しているが、感染者の認知度向上、診断精度の向上、治療体制の拡充などが急務となっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。